ベライゾン、T-モバイルと周波数帯交換へ - ケーブル事業者からのAWS帯獲得に向け前進
2012.06.26
Updated by WirelessWire News編集部 on June 26, 2012, 12:40 pm JST
2012.06.26
Updated by WirelessWire News編集部 on June 26, 2012, 12:40 pm JST
米最大手の携帯通信事業者、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)と第4位のT-モバイル(T-Mobile USA)が、現在それぞれが保有する周波数帯の一部を交換することで合意に達したという。
ベライゾンは昨年12月、コムキャスト(Comcast)、タイムワーナー・ケーブル(Time Warner Cable)、ブライトハウス・ネットワーク(Bright House Networks)のケーブルテレビ3社が、SpectrumCoというジョイントベンチャーの名義で保有する未使用のAWS周波数帯20MHzを39億ドルで獲得する計画を明らかにしていた。この計画に対しては、T-モバイルを含む競合他社から、ベライゾンへの周波数帯集中を招きかねないとする反対意見が米連邦通信委員会(FCC)に出されていた。いっぽうベライゾン側では、SpectrumCoならびに別の大手ケーブルTV事業者コックス(Cox Communications)からのAWS周波数帯購入の前提として、いわゆるLower 700 MHz帯のAならびにBブロックを売却する用意があると述べていた。
今回の合意を受けて、T-モバイルはFCCに反対意見の取り下げを申請したという。
同社はこの合意により、218の大都市圏を中心に6000万人をカバーできる周波数帯のライセンスを獲得することになるいっぽう、ベライゾンには約2200万人をカバーする周波数帯ならびに現金(金額は不明)を渡すことになる。なお、金額についてはFTが2億6000万ドル程度とするアナリストの推定を紹介している。
T-モバイルは、不成功に終わったAT&Tとの合併で、AT&Tから受け取った違約金と周波数帯なども使いながら、独自のLTE網構築を進めようとしているが、今回の契約でベライゾンから獲得する周波数帯をあわせることで、さらにカバーできる範囲が広まるとされている。
いっぽう、ベライゾンでは現在700MHz帯を使って展開しているLTE網が、今後はケーブル事業者およびT-モバイルから獲得するAWS帯(1.7 GHz帯ならびに2.1 GHz帯)も利用することでLTE網のキャパシティ増強を図る考えを明らかにしている。
【参照情報】
・Verizon, T-Mobile Agree Spectrum Swap Pending Cable Deal - Bloomberg
・Verizon, T-Mobile Swap Spectrum - WSJ
・Verizon and T-Mobile agree spectrum swap - FT
・T-Mobile befriends its enemy, agrees to swap AWS spectrum with Verizon - Fierce Wireless
・ベライゾン、ケーブルTV事業者の未利用周波数帯を36億ドルで獲得へ
・AT&T、T-モバイル買収を断念 - 大型買収計画不成立に
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