米国でサムスン「Galaxy Tab」の販売差し止め判決
2012.06.29
Updated by WirelessWire News編集部 on June 29, 2012, 09:35 am JST
2012.06.29
Updated by WirelessWire News編集部 on June 29, 2012, 09:35 am JST
サムスン(Samsung)製のタブレット端末をめぐるサムスンーアップル(Apple)間の訴訟で、カリフォルニア州北部地区連邦地裁のルーシー・コウ(Lucy Koh)判事は米国時間26日夜、アップルの主張を認め、米国における「Galaxy Tab 10.1」の販売を禁じる仮差し止め命令を下した。
先月発売された「Galaxy Tab 2 10.1」は販売差し止めの対象とならないため、サムスンの売り上げへの影響は限られるが、サムスン製端末のデザインがアップル製品の模倣にあたるとする主張が裁判所に認められたことは、アップルにとっては大きな勝利となる。
昨年12月には、同様の訴えを退けた同判事だが、今回の訴えについては「特許権を侵害している製品と競合することでアップルが被る損害は、仮差し止めによってサムスンが被る損害を上回る」と判断したという。アップルは、29日に予定されていた審問で主張を展開する予定だったが、同判事は「仮差し止め以外の選択肢はない」とし、その審問を待たずに結論を出した。
本件の裁判は、いまのところ7月30日に予定されている。今後の裁判で仮差し止め処分が不適切だったと判断された場合の補償金として、アップルが260万ドルを収め次第、仮差し止め処分が有効となる。
両社が世界各地で争う特許関連の訴訟では、昨年8月にドイツで、「Galaxy Tab 10.1」の販売仮差し止めを命じる判断が下され、サムスンが特許侵害とされた箇所に修正を加えた「Galaxy Tab 10.1N」を11月に発売し直すというできごとがあった。
いっぽうオーストラリアでは、やはり「Galaxy Tab 10.1」に関していったんはアップル側の主張が認められ、同製品の販売仮差し止めを命じる判断が下されたものの、サムスン側の控訴を受けて11月に行われた上訴審では同社の訴えが認められるという逆転判定が出されていた。
今回のカリフォルニア連邦地裁における裁判では、今年4月にコー判事が、サムスンとアップルに対し、当事者間での和解交渉をするよう求めていた。しかし、これを受けて5月に行われた話し合いには、アップルのティム・クック(Tim Cook)CEOとサムスン(Samsung)のチェ・ジソン(Choi Gee-sung:崔志成)CEOを含む両社の関係者が出席しての交渉となったが、結局何の合意にも至らず、訴訟が継続されることになっていた。
【参照情報】
・Apple Wins Preliminary Injunction Against Samsung Tablet - Bloomberg
・Why Apple beats 'unfair' Samsung Galaxy design in US court - Computerworld
・Apple Wins Injunction Against Samsung's Galaxy Tab - ATD
・Galaxy Tab 10.1 banned in the U.S. over design patent, Friday hearing surprisingly canceled - FOSS Patents
・アップルとサムスンの特許紛争 -「トップ会談」でも和解成立せず
・アップル、サムスンの特許権訴訟 - 両社CEOが和解交渉へ
・サムスン対アップルの特許訴訟 - 米連邦地裁、アップルの訴えを却下
・豪法廷、サムスンの控訴認める判断 - Galaxy Tab 10.1、とりあえず販売可能に
・米判事:「Galaxy Tabはアップルの特許侵害」 - 販売差し止め発令には至らず
・独法廷、サムスンに「Galaxy Tab 10.1」販売の仮差し止め命令 - アップルとの特許紛争で
・アップル、サムスン製品の米国での販売禁止を求める仮差し止めを請求
・アップル、サムスンを提訴 - 「Galaxy端末が、iPhoneやiPadにそっくり」と主張
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