WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

RIM、第1四半期決算 - 業績さらに悪化、人員3割削減、新機種投入は来年にずれ込み

2012.06.29

Updated by WirelessWire News編集部 on June 29, 2012, 10:47 am JST

リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下RIM)の経営に赤信号が点ったようだ。

RIMは米国時間28日、2012年第1四半期(3-5月期)の決算を発表、同社の業績が予想をさらに下ったことを明らかにした。また、同社復活の期待を担う開発中の最新機種「BlackBerry 10」の投入がさらにずれ込み、2013年第1四半期になるとの見通しも明らかにした。

2012年第1四半期の売上高は28億ドルで、前年同期の42億ドルから約33%減少、30億5000万ドル〜31億ドルというアナリストらの予想にも達しなかった。また純損失は5億1800万ドル(1株当たり99セント)となり、前年同期の6億9500万ドルの利益から大幅減少し、赤字に転落。なお、損失額のなかにはのれん代の評価損計上などにともなう一時費用が含まれるため、これを除いた損失額は1億9200万ドル(1株当たり37セント)だった。

BlackBerryの出荷台数も前年同期の1110万台から、同期には780万台まで落ち込んだという。RIMは5月末に業績見通しの下方修正を発表し、赤字転落の可能性を明らかにしていたが、今回の結果はこれをさらに下回るものとなった。

この業績悪化を受けて、RIMでは全社員1万6500人の約3割にあたる5000人の人員削減策を発表。同社では5月末の業績見通し下方修正を受けて、年間10億ドルの経費削減を目標として、すでに人員整理が始まっていることも伝えられていたが、その際にも削減数は最大3000人程度と見られていた。

この日の発表のなかで、ソーステン・ハインズ(Thorsten Heins)CEOは、これまで2012年後半としていたBlackBerry 10搭載端末の発売時期がさらにずれ込む見込みであることについて、新しいオペレーティングシステムのコードの統合に予想以上の時間がかかっていると説明し、「ユーザーのニーズにかなうレベルまで準備できていない段階で製品を発売するという妥協したくないと考えた結果」と説明したという。

こうした発表内容を受け、この日RIMの株価は約2割も下落。Bloombergによると、2008年のピーク時にくらべて95%減少、また過去12ヶ月間でも7割ほど低下したRIMの株価が、この日の時間外取引で7ドル14セント程度まで下がったことから、同社の時価総額はついに50億ドルを下回ったという。またZDNetでは、このうち手元流動性(現金など)が22億ドルを占めているとしている。

ハインズCEOは、さらなる経費削減と、BlackBerry 5や同6搭載端末を使い続ける既存ユーザーのBlackBerry 7端末への乗り換えなどで、Blackberry 10投入までの時間稼ぎとしたい考えなどを示したが、AndroidスマートフォンやiPhoneの勢いがさらに増すなかで、同社の業績を下支えしてきた海外市場での売上にも陰りが見えてきたことが報告されており、BlackBerry 10搭載端末投入の遅れはそれだけ大きな痛手となりそうだ。

【参照情報】
WSJ Live Blog: Blackberry Maker RIM's Earnings Call - Digits (WSJ)
RIM's Q1 much worse than expected: BlackBerry 10 delayed - ZDNet
RIM delays BlackBerry 10 until 2013, cuts 5,000 jobs - GigaOM
RIM Reports Loss As It Cuts Jobs, Delays BlackBerry 10 - Bloomberg
RIM、年間10億ドルのコスト削減めざして人員削減に着手
RIM、業績見通しを下方修正 - 3-5月期はついに営業赤字へ
RIMで経営トップ交代 - 新CEOの実力は未知数、株価は下落

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

RELATED TAG