RIM、風前の灯か - 時価総額40億ドルを割り込む、救済の手はどこから
2012.07.02
Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2012, 13:03 pm JST
2012.07.02
Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2012, 13:03 pm JST
リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)の先行きに対する懸念が一段と高まっているようだ。
米国時間29日、RIMの株価は前日比からさらに19%低下、結局7ドル39セントでこの日の取引を終えた。2008年6月20日に記録した過去最高値144ドル56セントから約20分の1の水準まで株価が低下したことで、同社の時価総額は38億1000万ドルとついに40億ドルを下回った。
この株価急落は前日発表された決算の結果ーー予想以上の赤字や、新OS「BlackBerry 10」搭載端末の投入の遅れを受けたもの。この決算発表のなかで、RIMは22億ドルの現金残高(手元流動性)があり無借金、さらに複数の銀行から相当額の与信枠を確保していると強調していた。
これに対し、WSJでは複数のアナリストの話として、同社の評価額が簿価を下回っていることなどもあり、特許をはじめとする資産・事業の売却を求める圧力が高まっていると伝えている。
既報の通り、RIMでは全社員の約3割にあたる5000人規模の人員削減など生き残りをかけた大幅なリストラ策を発表。また同社CFOはこのための費用として3億5000万ドル程度を見込んでいると同時に、手元流動性の残高はほぼ現在の水準で推移するとの見方を示している。
しかし、起死回生の期待がかかる「BlackBerry 10」の投入が、これまで予定していた今年秋から来年はじめまでずれ込む見通しとなったことから、会社の売却もしくは事業や資産の切り売りは「時間の問題」とするアナリストの見方もBloombergで紹介されている。
RIMでは5月末に業績予測の下方修正を発表した際、戦略アドバイザーとして投資銀行2社(JPモルガン・チェイス、ならびにRBCキャピタルマーケッツ)と契約したことを明らかにしていた。
なお、ReutersやBloombergでは、RIMの「救済役候補」として現時点でマイクロソフト(Microsoft)やIBMの名前が上がっているとするアナリストの話、ならびにRIM自慢の企業向けネットワークサービスを切り離しPEファンドなどに売却するといった可能性も上がっていると記している。
【参照情報】
・RIM Tumbles 19% on Cash Concerns - WSJ
・RIM's Plunge Adds Pressure to 'Sell, Break Up or Die' - Bloomberg
・Exclusive: Microsoft tie-up, network sale among RIM options: sources - Reuters
・RIM、第1四半期決算 - 業績さらに悪化、人員3割削減、新機種投入は来年にずれ込み -
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