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グーグルがEU当局に回答提出 - 独占禁止法調査をめぐって

2012.07.03

Updated by WirelessWire News編集部 on July 3, 2012, 10:31 am JST

グーグル(Google)の検索および広告サービスが独占禁止法に違反する疑いがあるとして、欧州委員会(European Commission)が同社に改善策の提出を求めていた問題で、同社は2日、エリック・シュミット(Eric Schmidt)会長からホアキン・アルムニア(Joaquin Almunia)副委員長にあてた回答の書簡を送ったという。

欧州委員会の競争担当委員を務める同副委員長は5月に、同委員会が問題視する4つの懸念点について数週間以内に回答を送るよう、グーグル側に求めていた。また、満足のいく回答が得られない場合は、罰金等の制裁措置につながる可能性があるとも述べていた。

欧州委員会が問題視している懸念事項には、検索結果において同社がGoogleマップなどの自社サービスを優遇している疑い、また他社サイトからコピーしてきたレストランや旅行についての口コミコンテンツを掲載している疑い、および同社の広告ビジネスに関して同社がパートナーサイトと結んでいる契約が正常な競争を阻害している疑いが含まれる。

同委員会は今回グーグルから受け取った書簡の内容を公開していないが、独占禁止法の専門家らの間からは、この段階で情報を渡しすぎないよう、グーグルは非常に慎重に行動するだろうとの指摘も上がっているという。

また、これらの懸念事項について、Opus ResearchのアナリストはBloombergに対し、「4点のうち3点の懸念事項についての回答は比較的容易だが、自社サービスの優遇については、グーグルの検索結果および検索アルゴリズムの根幹に関わるだけに、より深刻な問題となるだろう」と述べている。

グーグルに対しては、マイクロソフト(Microsoft)をはじめとする複数の企業から批判の声が上がっており、2010年以降、米連邦取引委員会や韓国の規制当局、アルゼンチンの規制当局などが調査に乗り出していた。

【参照情報】
Google Outlines Proposals to EU to End Antitrust Probe - Bloomberg
Google Offers Concessions in E.U. Antitrust Case - New York Times
Google Addresses EU Antitrust Concerns, but Keeps Specifics Private - ATD
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