メディカルセンサーを実装した健康トラッキング用スマートフォン、ライフウォッチV(LifeWatch V)をスイスのLifeWatch AG社が近日発売を開始する。近年、スマートフォンにBluetoothやUSBを介してアタッチメントを装着し、血糖値や血圧を管理するアプリが多数提供されているがどれも個別で、本体にいくつもの医用センサーを組み込んだスマートフォンは珍しい。
ライフウォッチVにはECG(心電計)、体温計、心拍数計、血糖値計、体脂肪計、ストレスレベル計(心拍の変動)、血中酸素飽和度計が組み込まれていて、利用者自らが測定することができる。血糖値測定については採血用の小型メスやテストストリップ(試験紙)などをキットにして別途販売する。Androidのバージョンは2.3とやや古い(2010年12月リリース)。従来の他社製品はスマートフォンのほかに心電計や血糖値計を持ち歩く必要があったことを考えれば、モバイルヘルス用デバイスとしては今後の各国展開は注目に値する。
ライフウォッチ社はワイヤレス心臓モニタリング・システムや家庭用スリープ・テスト(睡眠試験)システムを手掛けており、アメリカでも販売実績があるようだ。初のスマートフォン組み込みデバイスとなるライフウォッチVについては価格も販売地域も明らかにされていないが、ライフウォッチVは単体の販売ではなく各国のキャリアなどをパートナーにして、クラウドに測定結果を蓄積したり、異常値検出時の対応としてコールセンターを設置し、医師や家族と連携したりする「エコ・システム」を構築した上で提供することになる。欧州で販売するためのCEマークは2012年中に、アメリカで販売するためのFDA(食品医薬品局)の承認は2013年になる模様。
【参照情報】
・The Smartphone That Could Save Your Life
・LifeWatch Launches World's First Healthcare Android Smartphone
・LifeWatch V - an Android smartphone that monitors your health
・LifeWatch V: Android-based Healthcare Smartphone Packed with Medical Sensors
・LifeWatch社<プレスリリース>
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