アップル、グーグル、マイクロソフトの業績推移の比較は、以前にも採り上げたことのある話題(「グラフでみる「アップル - 世界最大のベンチャー企業」- Asymco」など)。今回はそのアップデートーー第2四半期の数字を追加したグラフをつかって、それぞれの状況をみていく。
第2四半期(4-6月期)は3社にとってまあまあの業績が残せた四半期だったといえる。売上の伸びは前年比でグーグルが22%、マイクロソフトが4%、アップルが23%。アップル以外の2社ではアナリストの予想を上回る成長を記録。下のグラフは各社の売上(上段)と利益(下段)の推移を示したものである。
[*訳者注]
左からグーグル、マイクロソフト、アップル。上段は売上、下段は営業利益で、それぞれサービスや事業部門、製品ごとに色分けしてある。
グーグルの場合、売上は下から「自社ウェブサイトでの広告販売」「外部サイトでの広告販売」「ライセンスやその他からの収入」「モトローラの売上」の順番で、下段の営業利益については内訳は示されていない。マイクロソフトの売上は、下から「エンターテインメントおよびデバイス」「Windows & Windows Live」「サーバー製品と開発ツール」「Microsoft Business(MS Officeなど)」「オンラインサービス」となっており、下段の赤字部分ではとくにaQuantativeの評価損計上に伴う60億ドル超のマイナス(紫部分)が目立つ。アップルについては、いずれも下からiPhone、iPad、Mac、ソフトウェア、周辺機器ほか、iPod、音楽関連となっている。
なお今回使われている画像はすべてクリックするとより大きな、文字の見やすい別のものが表示される。
マイクロソフトについては、aQuantiveの特損分を除くと営業利益が前年比3.6%増となる。またグーグルでは11%、アップルでは23.4%、それぞれ営業利益が増加した(ただし、アップルの伸び幅はここでも予想に届かなかった)。
アップルの粗利率は33.1%に低下、グーグルでも29.2%まで低下している。いっぽうマイクロソフトでは特損計上で粗利がすべてふっ飛んだ格好(ただし、その分を除いて計算するとだいたい35%強の粗利率となる)
次に各社の事業や製品別の営業利益を比べてみる。
さらに、iPhoneとiPad、そしてグーグルとマイクロソフトの4つだけを取り出して比較したのが下のグラフ(営業利益ベース)。
営業利益を比較したこのグラフで、薄い色で描かれている線は四半期ごとの推移を記したもの。それに対し、濃い色の太線になっているのは四半期の移動平均をつなげた線で、これをみるとグーグルおよびマイクロソフトと比べた場合のiPhoneおよびiPadの利益の相対的大きさがわかる。
営業利益額でiPhoneの事業がグーグルやマイクロソフトを上回ったのは少し前のことだが、いま注目すべきは「iPadの事業も両社をそれぞれ追い抜く時がはたしてくるのか」「くるとすれば、それはいつ頃のことか」という点だろう。
(執筆:Horace Dediu / 抄訳:三国大洋 / 原文公開日:2012年8月21日)
原文
・The Interlopers
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