[2012年第32〜33週]ドコモでトラブル続く、Xi100万、UQ30万の純増、スマホで見るCMって?
2012.08.20
Updated by Naohisa Iwamoto on August 20, 2012, 17:30 pm JST
2012.08.20
Updated by Naohisa Iwamoto on August 20, 2012, 17:30 pm JST
まず、毎週のように続くNTTドコモのトラブルから。2012年8月13日の18時24分ころから、国際ローミングサービスの「WORLD WING」が利用しづらい状況になった。国際ローミングの通信集中による輻輳が原因で、WORLD WINGを提供する220の国と地域での国際ローミングに影響が及んだ。8月15日の2時13分に全ての海外通信事業者との間で国際ローミングが利用できるように回復した(報道発表資料:【お詫び】WORLD WING(国際ローミングサービス)がご利用しづらい状況について)。
NTTドコモではトラブルが相次いでいる。8月2日の18時ごろから19時42分にかけて、FOMAやXi、衛星携帯電話の音声通話・パケット通信がつながりにくくなった(関連記事:ドコモ、FOMA・Xi・衛星携帯電話の一部で通信障害(解消済み))ほか、7月25日にはspモードに不具合が生じて「spモード設定情報」が本人以外に閲覧・変更される場合があるトラブルもあった(関連記事:spモードに不具合、一時、設定が変更される状態に(解消済み))。2011年末から2012年初めにもトラブルが続出し、各種の対策を施している中で相次ぐトラブルに、「信頼性」というドコモの金看板がくすんできていることは確かだ。
電気通信事業者協会(TCA)は2012年8月7日、携帯電話・PHS事業者の2012年7月末の契約数を発表した。携帯電話の純増トップはソフトバンクモバイルで22万1700の純増で、相変わらずの好調ぶり。NTTドコモが15万1100、KDDIが4万8500と続く。
高速サービスへのシフトが急速に進んでいることも見て取れる。NTTドコモのXiは1カ月の純増が101万7900と100万件の大台に乗せ、累計も約433万件と大きく伸ばした。またUQコミュニケーションズのWiMAXサービスが30万を超える純増で、統計を公表しているキャリアーでは6月に続き最高の純増数を記録した(関連記事:7月の契約数、Xiが100万超、UQが30万超の純増と高速サービスシフトが加速)。
好調のソフトバンクモバイルは、TCA統計発表直後の2012年8月11日に累計契約数が3000万件を突破した。ホワイトプランのヒットやiPhone、iPadといった人気端末の販売好調を受けて、2008年から2011年にかけて4年連続で年間純増契約数1位を獲得している。ソフトバンクモバイルが移動体通信事業に参入した当初は約1500万件だった累計契約数を、約6年で倍の3000万件にまで伸ばした。7月末時点ではNTTドコモが約6054万件、KDDIが約3572万件の累計契約数であり、KDDIの背中が見えるところまで成長してきた。
▼3000万人突破!大感謝プレゼント | ソフトバンクモバイル
ソフトバンクモバイルでは3000万件突破を記念し、歴代お父さんグッズまたは記念Tシャツが抽選で当たる「3000万人突破!大感謝プレゼント」キャンペーンを実施する(報道発表資料:ソフトバンクモバイルの累計契約数が3,000万件を突破)
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キャリアーが連携したサービスへの取り組みとして、京王線の調布駅付近の連続立体交差事業で地下化される区間のトンネル内などでの携帯電話サービス提供がある。京王電鉄、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの各社が共同で、2012年8月19日の地下線切り替えと同時にサービスの提供を始めた。踏切がなくなる安全性と利便性に加えて、地上を走っていたときと同様に携帯電話サービスを使える環境を提供する(関連記事:京王線、調布駅付近の地下化に伴いトンネル内を携帯電話エリア化)。
MVNOが新しい格安サービスを提供。ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)が月額490円と格安のモバイルデータ通信サービス「ServersMan SIM 3G 100」の提供を開始した。通信速度は上り下りとも100kbpsに制限されるが、NTTドコモ網の広いエリアで使い放題にできる。サービスは月額490円で、SIMのみの提供と、モバイルルーターまたはUSBルーターのレンタル(追加で月額630円が必要)とのセットの2パターンがある。8月中に速度変更システムを提供し、追加チャージした金額分まで最大14Mbpsの高速通信が利用できるようになる(関連記事:DTI、100kbps制限ながら月額490円でドコモ網を使い放題のデータ通信サービス)。
お盆休み前後でありながら、スマートフォンを中心とした各種の動きは活発だった。1つが、CMをスマートフォンで見られるようにするサービスの開始のニュース。メディア事業やインターネット広告事業を手がけるイクスが、スマートフォン向けのCM配信アプリ「EQ neo」のサービスを開始した。CMをスマートフォンで視聴することで、ユーザーにはCMを評価することでポイントが貯まるといったインセンティブがある(関連記事:スマホでCMを視聴できる新サービス「EQ neo」、イクスが提供開始)。
コンテンツを含めた総合サービスに向けて連携。エイベックス・グループ・ホールディングスとソフトバンクは、エンターテインメント総合サービスを共同展開することで基本合意し、合弁会社を設立して11月からサービス展開を開始する。合弁会社が提供するエンターテインメント総合サービスの中心となるのは、音楽・映像の定額サービス。合弁会社は2012年9月に設立する(関連記事:エイベックスとソフトバンク、スマホ向け音楽・映像定額サービスで合弁会社)。
アプリと楽曲販売サービスと連携させスマホで手軽に音楽を購入できるように。KDDIはLISMO Playerなど3種類のソフトをアップデートした。そのうち、LISMO Player (Ver.3.0)とLISMO楽曲検索 (Ver.15.0)では、「LISMO Store powered by レコチョク (以下、LISMO Store)」との連携により、楽曲の購入が簡単にできるようになった。アプリ画面の上部に「ストア」のアイコンを配置し、LISMO Storeにアクセスを容易にすることで視聴・購入のハードルを下げる(関連記事:KDDI、LISMO PlayerなどとLISMO Storeを連携させ楽曲購入を簡単に)。
国内発サービスがBlackBerryに対応。NHN Japanは、無料通話・無料メールアプリの「LINE」にBlackBerry版を追加した。BlackBerry版は、LINEが提供する機能の中でメール機能に特化している。音声通話や、8月にAndroid版、iPhone版で提供を開始したばかりの「ホーム」「タイムライン」機能にも対応しない。これは、今回のBlackBerry対応が、特にBlackBerryの利用者が多いインドネシア・シンガポール・タイなど東南アジア圏での利用促進を目的にしたものであるため。同社では、「多様な通信環境・端末環境に対応できるよう、LINEの基本機能である「メール」機能に特化」したとのこと(関連記事:「LINE」がBlackBerryに対応、メール機能に特化して提供)。
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