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MCFが「スマートフォンのアプリケーション・プライバシーポリシーに関するガイドライン」を公表

2012.11.14

Updated by Asako Itagaki on November 14, 2012, 10:31 am JST

11月13日、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は「スマートフォンのアプリケーション・プライバシーポリシーに関するガイドライン」を策定・公表した。このガイドラインは、スマートフォンにおける利用者情報を活用する事業者等が利用者に対して分かりやすく透明性が高い説明を行い、その理解と有効な選択を促すことを目的としている。3部構成となっており、第1部では必要要件として総務省「スマートフォン プライバシー イニシアティブ」第5章(スマートフォンにおける利用者情報の取扱いの在り方)を提示。第2部では、「アプリケーション・プライバシーポリシー」の実装にあたって推奨される要件を提示し、第3部では、実装にあたってのモデル案が提示されている。

第2部で実装にあたって推奨される要件として挙げられているのは以下の9点。

(1)アプリケーション・プライバシーポリシーの名称
・既に作成されている個人情報保護方針とアプリごとのプライバシーポリシーは記載内容、位置づけが異なるので、混同されないよう「アプリケーション・プライバシーポリシー」という表記を推奨する。

(2)通知または公表および同意取得等のタイミング
・通知または公表は、原則としてアプリのダウンロード・インストール前。
・何らかの事情で困難な場合でも初回起動時に利用者情報を取得する前。
・同意取得が必要な場合も同様。

(3)アプリケーション・プライバシーポリシーを掲示する場所
・マーケットやダウンロードページのアプリを紹介するスペースに可能な限り掲示するか、全文を閲覧できるページへのリンクを掲載。
・プリインストール等の場合はインストールもしくは初回起動時に表示。
・アプリ利用中にも閲覧できるような手段を用意する。
・企業としての「個人情報保護方針」や「アプリの利用規約」と区別し、明確に「アプリケーション・プライバシーポリシー」であることがわかるようにする。

(4)アプリケーション・プライバシーポリシーの変更
 変更前の利用目的と関連性があると認められる範囲で行い、必要に応じてわかりやすく通知・公表する。
・個人情報については、目的の変更を本人が想定することが困難であると考えられる場合はあらためて同意を得る。
・新たに同意取得を要する情報を追加取得する場合、変更・追加時に個別に同意取得が必要。

(5)同意が得られなかった場合の制限事項
・同意が得られなかった場合の利用制限についてはその旨を説明することを推奨。

(6)取得した利用者情報の取り扱い
・一定の保存期間を設定し、その期間を超えて利用がない場合は利用者情報を削除することを明記し、利用者にあらかじめ通知・公表することを推奨
・退会手続き時、アンインストール時、端末買い替え時など状況別に利用者情報がどう扱われるかを記載することは有用。

(7)必要要件以外の同意取得
・「アプリケーション・プライバシーポリシー」自体と「契約者・端末固有ID等の取得」については同意取得を推奨

(8)日本語以外での説明対応
・海外事業者が提供する情報収集モジュールを利用する場合、提供者に日本語でのアプリケーション・プライバシーポリシー等の提供を求めることを推奨。
・アプリ提供者が利用者のために最低限の事項を翻訳する場合は、法的問題が発生する可能性を考慮して注意事項の明記を推奨。

(9)既存アプリケーションの本ガイドラインへの対応
・すでに提供されているアプリについても本ガイドラインに可能な限り準拠を求める。
・アプリの改修を行う場合は、策定・掲示されたアプリケーション・プライバシーポリシーと実際の運用の間に矛盾が起こらないよう注意する。

第3部のモデル案では、アプリ名、サービス内容、利用目的、取得情報項目などの部分を穴埋めして、第1部、第2部の内容を反映したアプリケーション・プライバシーポリシーが作成できるサンプル文が提示されている。

【報道発表資料】
「スマートフォンのアプリケーション・プライバシーポリシーに関するガイドライン」の公表(PDF)
【参照情報】
スマートフォンのアプリケーション・プライバシーポリシーに関するガイドライン(PDF)

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。