フォトレポート:高速インフラやスマホ新OSなど将来を見据えた技術──ワイヤレスジャパン2013
2013.06.06
Updated by WirelessWire News編集部 on June 6, 2013, 17:00 pm JST
2013.06.06
Updated by WirelessWire News編集部 on June 6, 2013, 17:00 pm JST
2013年5月29日〜31日に東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレスジャパン2013」と、併催の「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2013」。約4万5000人が訪れたワイヤレス専門の展示会の会場からトピックを写真で紹介する。 ※画像をクリックして拡大
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ワイヤレスジャパンに初出展のMozilla Japanのブース。スマートフォン第3勢力と目される新OS「Firefox OS」を搭載した機器の使い勝手を試そうとする来場者で熱気がこもっていた。開発者向け端末として3.5インチディスプレイの「Keon」と4.3インチの「Peak」(いずれもGeeksphone製)を展示していた。
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Mozilla Japanブースに展示されたFirefox OS搭載端末では、日本語のコンテンツも稼働している様子が見られた。「食べログ」「毎日新聞」がHTML 5でアプリを作成し、実際に利用できる様子を示していた。写真は毎日新聞のアプリで、タイル型にジャンルごとのトップ記事の画像がはめ込まれた新鮮なユーザーインタフェースを提案。
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ワイヤレス・テクノロジー・パークのKDDI研究所のブースでは、複数のアンテナを送受信で同時に使う「MIMO」の効率を向上させた「Advanced MIMO」の技術展示があった。基地局が8本のアンテナ、端末が2本のアンテナを持った状態で、従来のMIMOでは端末1台しかやり取りできなかったが、新技術では最大4台の端末が同時にやり取りできる。新技術により、1Hzあたり20bpsと、LTEの約3倍の周波数利用効率が得られたことをデモで示していた。
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ワイヤレス・テクノロジー・パークのNTT/NTTドコモのブースでは、NTTが次世代無線LANに向けた高効率マルチユーザーMIMO技術のデモを行っていた。下り回線のマルチユーザーMIMOを効率的に実現するため、通常は端末の台数分必要な上りの制御信号をOFDMAによって複数台分まとめて同時伝送し、上りのオーバーヘッドを減らす。新技術を導入することで、スループットが約2倍に向上すること、上り信号が時間的に圧縮されてオーバーヘッドが減っていることをデモで示した。
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ワイヤレス・テクノロジー・パークのNTT/NTTドコモのブースでNTTドコモは、LTEネットワークのXiにおける基地局ラインアップを示した。そのうちの1つが、3月に導入を開始したマルチバンド基地局アンテナ。700M/800M/1.5G/1.7G/2GHzの5つの周波数帯に対応する。700MHz帯のサービスは2015年1月から提供予定。
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ワイヤレス・テクノロジー・パークのNTTドコモのブースには、2012年12月から導入を開始したXiフェムトセルの展示もあった。LTEとW-CDMAの両方式に対応し、XiとFOMAのサービスエリアを柔軟に拡張できる。
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電気興業のブースにも、700M/800M/1.5G/1.7G/2GHzの5つの周波数帯に対応するマルチバンド基地局アンテナの展示があった。3セクター用と6セクター用の2種類のアンテナを展示。NTTドコモの開発に協力し、700MHz帯でのLTEサービス提供に向けて導入されていくアンテナだ。
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日本電業工作のブースには、 基地局の無線装置であるRRH(Remote Radio Head)とアンテナ機能を1つにした「アクティブアンテナ」の展示があった。RRHとアンテナの間のロスがなくなり、省スペースで設置が可能になるといったメリットがある。LTE基地局の構成としては、親局とアクティブアンテナを光ファイバーで結んだリモート設置型であり、複数のアンテナとRRHを1つの親局が統合管理できる。
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IIJのブースには、5月28日に発表したばかりのスマートデバイス向けブラウザ「セキュアブラウザ」の展示があった。スマートデバイスでWebにアクセスする際のポリシーを、管理者が一括で制御できる。キャッシュやクリップボードの使用禁止、バックグラウンドに移った時に自動的にブラウザを強制終了するなどの設定が、管理者のパソコンから遠隔で行えることを示していた。
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MVNOによる低価格LTEサービスが注目されるようになってきた。IIJは、hi-hoブランドで提供する980円のLTEサービスの性能アップをパネルと実機デモで紹介した。5月1日から、使い放題の速度を128kbpsから200kbpsへアップ。また6月1日からは月間500MBまでLTEの最高速で通信できる「チャージ」が980円のサービスでも利用できるようになることをアピールしていた。
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ワイヤレス・テクノロジー・パークの富士通ブースでは、「BAN」(ボディ・エリア・ネットワーク)の機器の展示があった。医療向けの心電計や血圧計、体温計などの各種センサーの情報をワイヤレスでハブに送信するためのシステム。実証実験で使われた「ノード」と「ハブ」を披露した。
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