フォトレポート:災害時の通信インフラ確保の解を提案──ワイヤレス・テクノロジー・パーク2013
2013.06.07
Updated by Naohisa Iwamoto on June 7, 2013, 15:30 pm JST
2013.06.07
Updated by Naohisa Iwamoto on June 7, 2013, 15:30 pm JST
KDD研究所のブースでは、災害に強いネットワークの研究開発の成果を展示していた。複数のネットワークを連携させ、混雑していないネットワークを優先して利用するようなしくみを備えた。無線ネットワークの状況を把握するため、地域には複数のネットワークから条件のいいネットワークを選択して通信する「重層的通信端末」と、通信状況を把握するための「無線情報測定装置」(写真では赤いボックス)を備え、災害時に適した通信を可能にする。
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情報通信研究機構(NICT)のブースには、5月28日に発表したばかりの「メッシュ接続対応コグニティブ無線ルータ」の展示があった。このルーターは、ルーター同士がWi-Fiを使って自動的にメッシュ接続のネットワークを構築する。またコグニティブ無線によりLTE、HSPA、WiMAXの各商用ネットワークから条件のいいネットワークを選んでインターネット接続する。これらの組み合わせ技により、Wi-Fi端末がネット接続できるエリアを被災地に広げることが可能という。
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情報通信研究機構(NICT)のブースには、災害時に無線サービスのエリアを拡張するもう1つの技術が展示されていた。それがテレビ放送帯を使ったホワイトスペース通信。470M〜710MHzと低い周波数帯で通信できるため、伝搬特性が移動体通信に適する。ブースには、ホワイトスペース通信の無線基地局と、地域ごとのホワイトスペースの情報を蓄積した「ホワイトスペースデータベース」を展示した。
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情報通信研究機構(NICT)のブースでは、災害時の活用を目指したメッシュ型ネットワークのテストベッドのデモもあった。東北大学に設置したメッシュネットワークに会場の機器を接続し、災害時に安否情報などを確認できる様子を示した。インターネットと隔絶されても、メッシュネットワークの基地局で通信制御やアプリの提供を行える。
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情報通信研究機構(NICT)のブースに展示されていた「可搬型バースト光信号増幅器」は、光ファイバー網が局舎の損壊などで途切れたときに応急復旧させる機器。光ファイバーをつないで信号を増幅することで、切断したネットワークを復旧させる。可搬型の機器で人間が持ち運んで復旧できるほか、バッテリーにはスマートフォン用の充電池を使うことで容易に充電や交換が可能になった。
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NECのブースには「大規模災害時での通信を確保する次世代型緊急モバイルネットワーク無線機」(仮称)が展示してあった。ソフトウエア無線技術を使い、さまざまな通信システムに接続可能。例えば、自治体や消防、警察などのシステムに自在に接続して災害状況を伝達することが可能。無線機同士はアドホックネットワークを構成し、相互に連絡が可能だ。
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NECのブースには「災害時の臨時Wi-Fiネットワーク構築技術」の展示もあった。写真左のトランク状の機器が「DTNアクセスポイント」と呼ぶWi-Fiアクセスポイント。避難所内にあるときは、所内のWi-Fi端末のアクセスポイントとなり、安否情報交換や蓄積に利用できる。DTNアクセスポイントは、他の避難所に持ち込んで別のDTNアクセスポイントと接続することで、情報を共有できる。アクセスポイントを移動させることで、ネットワークが途切れている被災地でも情報共有を可能にするアイデアだ。
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