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ブラックベリー経営陣、ついに身売りを視野に - 自力復活を事実上断念か

2013.08.13

Updated by WirelessWire News編集部 on August 13, 2013, 10:33 am JST

長らく経営不振が続くブラックベリー(BlackBerry)が、ついに自力での復活を断念したようだ。同社の取締役会は現地時間12日、特別委員会を設け、全社売却を含む複数の可能性を検討することになったと発表。また、このための財務アドバイザーとしてJ.P.モルガン(J.P.Morgan)と契約したことを明らかにした。


[Bloomberg TV]

WSJのMoneyBeatブログによると、ブラックベリーはこの発表のなかで、「特別委員会を設け、自社の価値を高め、規模を拡大するための戦略的選択肢を検討、これを通じて『BlackBerry 10(BB10)』OSの普及を加速させていく」などと述べているという。この特別委員会は、同社のソーステン・ハインズ(Thorsten Heins)CEOのほか4人の社外取締役がメンバーをつとめ、同社の売却や他社との戦略的提携、ジョイントベンチャー(JV)立ち上げなどの可能性を探ることになるとBloombergは記している。

ブラックベリーは昨年にも同様の動きを見せていた。ただし、その際にはJ.P.モルガンおよびRBCキャピタルマーケッツ(RBC Capital Markets)を起用して戦略的な選択肢を検討させただけに終わり、また取締役が特別委員会を設けるような動きもなかった。

WSJではブラックベリー関係者の話として、同社の株価下落やカスタマーベースの縮小、期待されたBB10端末の不振などが同社の選択肢を狭め、今回の発表に至ったのではないかと記している。

さらに、同社の今後の選択肢を取り上げたWSJの別の記事では、全社の売却、他社とのJV立ち上げ、一部事業・資産の売却、株式非公開化などの可能性を挙げたうえで、このなかではJV立ち上げや一部の資産売却の可能性が高いと記している。また具体的な提携先の候補としてはIBMやアマゾン(Amazon)、HTCなど、いっぽう資産売却先の候補にはZTEやファーウェイ(Huawei)などの名前が挙がっている。いっぽう、これらに比べて可能性が低い株式非公開化については、あるとすればシルバーレイク・パートナーズ(Silver Lake Partners)やカナディアン・プラン・インベストメント・ボード(Canadian Pension Plan Investment Board)などが支援することになる可能性があるという。

いっぽう、全社売却の可能性に着目したCNETでは、実際には売却先を見つけるのは困難だろうとしながら、それでもAndroid OSへの依存度を減らそうとしているサムスン(Samsung)がBB10に関心を示す可能性があるとのアナリストの見方を紹介。このほか、レノボ(Lenovo)、ファーウェイ、ZTEなどの中国企業もブラックベリーの買収に高い関心を示すと見られているものの、中国企業の場合にはスパイ疑惑の懸念が取り沙汰される可能性も高く、カナダ政府がこれらの各社による買収を承認する可能性は低いという。

【参照情報】
BlackBerry Puts Itself Up for Sale - WSJ
What's Next for BlackBerry - MoneyBeat (WSJ)
BlackBerry Mulls Putting Itself up for Sale - Bloomberg
BlackBerry is officially for sale, but will it find a buyer? -

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