「Gmail」ユーザーにプライバシーはない? - 波紋を呼ぶグーグルの見解
2013.08.15
Updated by WirelessWire News編集部 on August 15, 2013, 12:17 pm JST
2013.08.15
Updated by WirelessWire News編集部 on August 15, 2013, 12:17 pm JST
カリフォルニア州の消費者団体「Consumer Watchdog」が米国時間12日、グーグル(Google)が今年6月に米連邦裁判所に提出した書類を取り上げ、同社のプライバシー保護への姿勢を批判したと、複数の媒体が報じている。
同団体は、「Gmail」がユーザーのメール内容やキーワードをスキャンしてターゲッティング広告に役立てていることを問題視し、同社を訴えていた。今回明らかにされた書類は、グーグルが同団体の主張を退けるために提出したものだという。
この文書のなかには、下記のような部分が含まれており、これが論争の火種となったという。
「ビジネス上のパートナーへの手紙を送ったときに、受取人のアシスタントが手紙を開くのは意外なことではない。それと同じように、今日ウェブベースのEメールを利用する人々が、受取人側のEメールプロバイダーによってメッセージが処理されることを知って驚く可能性はない。『実際、外部のサービスに自発的に提供した情報に関して、プライバシー上の正当な期待を抱くことはできない』」(『』内は1979年のSmith V. Maryland裁判の判決からの引用)
同団体はこの部分について、グーグルがユーザーのプライバシー保護を軽視していることを認めた「驚くべき一節」とし、プライバシーに懸念を抱いているユーザーに対してGmailの利用を控えるように警鐘を鳴らしている。
いっぽう、この話題を採り上げたThe Vergeは、当該部分を引用しながら、この部分が誤って拡大解釈されていると指摘。同部分は、原告のうちGmailを利用していない人々(Non-Gmai Plaintiffs)にあてられたもので、Gmailユーザーのプライバシーについて述べたものではないとしている。
それに対しGigaOMでは、グーグルの主張について、同社自体がさまざまなサービスや製品を売り込む上で「セキュリティやプライバシーを重視する姿勢」を強調していることなどが、批判派の人々に誤った期待を抱かせる一因になった可能性があると分析し、グーグルはそうした売り込み方を改めるべき、と述べている。
【参照情報】
・Google filing says Gmail users have no expectation of privacy - CNET
・Yes, Gmail users have an expectation of privacy - The Verge
・Oh Google. Of course email users expect privacy -- you promised it to them - GigaOM
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