外では携帯電話、家では固定電話:パナソニックがドイツで新スマートフォンの販売を開始
2013.09.19
Updated by Hitoshi Sato on September 19, 2013, 07:30 am JST
2013.09.19
Updated by Hitoshi Sato on September 19, 2013, 07:30 am JST
2013年8月、パナソニックはドイツにおいてAndroidスマートフォン「KX-PRX150」の販売を開始した。同商品は外ではGSM/3G(携帯電話)、家ではコードレス電話(固定電話)として利用できることが特徴である。もちろん家でもGSM/3G(携帯電話)の利用も可能である。「KX-PRX150」の他に「KX-PRX120」、「KX-PRX110」がある。開発はのグループ会社の「パナソニックシステムネットワークス株式会社 (PSN)」が担当した。
▼KX-PRX150・コンセプト
「KX-PRX150」は199.99ユーロ。他に「KX-PRX120」は169.99ユーロ、「KX-PRX110」は149.99ユーロで、ドイツの量販店で購入ができる。ユーザーはプリペイドのSIMカードでの利用も可能で、SIMフリーのため、ユーザーはどこの通信事業者と契約していても利用できる。「KX-PRX150」はAndroid4.0.4を搭載したスマートフォンで、決してスペックは低くない。
これらの端末は欧州でDECT (Digital Enhanced Cordless Telecommunications)と2G/3Gが使用できる地域では利用可能なようなので、今後ドイツ以外の欧州諸国や世界で利用されることが期待される。
日本では「スマートフォンから撤退するのではないか」という報道もされているパナソニックだが、固定電話時代から端末開発を行っている自社の技術を活かしてドイツ市場で新しい製品の提供を開始した。自社の技術と現地の販売網を活かしながら、「数を追わない」が「他社と差別化できる」端末を市場に投入している。
パナソニックが今回販売を開始したドイツの電話市場を見てみよう。ドイツは携帯電話加入者数が約1億1,100万で人口普及率約140%と高い。固定電話は約2,700万で家庭普及率は約65%程度である。携帯電話の普及率は140%に達している成熟国である。
▼ドイツ市場での携帯電話加入者数(当局公開情報を元に筆者作成)
▼ドイツの携帯電話 通信事業者(各社の公開情報等を元に筆者作成)
▼パナソニックがドイツで販売開始した「KX-PRX150」(出典:Panasonic Deutschland)
▼ドイツで開催されたIFAで展示された「KX-PRX150」
※13:10 本文中の機種名につきまして、当初「KX-PRW150」と記しておりましたが、正しくは「KX-PRX150」です。お詫びして訂正いたします。(本文は修正済み)
【参照情報】
・Panasonic Deutschland
・Panasonic bringt DECT-Telefon mit Mobilfunkschnittstelle
・KX-PRX120のスペック
・KX-PRX150のスペック
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。