小型コンピュータのラズベリーパイを内蔵したiCPoochはWi-Fiとインターネットを介して遠くにいるペットと映像コミュニケーションができるデバイス。縦長の筐体に縦長のモニターがあって、ここに飼い主の顔が映り、正面に座った犬の姿をカメラで捉えて送信する。顔を見ながら「通話」できるだけでなく、ご褒美のエサを与えることもできる。
この装置の開発の目的は、全米で1300万頭にも上ると言われる分離不安の犬を助けること。飼い主や家族と離れることで不安になり、吠え続けたり、部屋の中のものを破壊したりといった症状が出るという。
この装置の開発を思い立ったのは、ワシントン州東部のスポケーンに住む13歳のBrooke Martinという少女。分離不安の犬を飼っていたハイスクールの生徒だ。去年、町で行われたスタートアップ・ウィークエンドというイベントでこの装置のコンセプトを発表したところ、スタンディング・オベーションで賞賛された。3M社のヤング・サイエンティスト賞でもトップ10に残り、資金も集まり、企業化されて、大人のフルタイムCEOも雇われた。クラウドファンディングでさらに資金を集めて、商品化を進めている。iCPoochは、I see pooch(私は犬を見ます)ということだろう。
離れたペットを監視カメラで見るだけのソリューションはたくさんあった。レーザーポインターの光を動かして、ペットと遊ぶデバイス、Petcubeも開発されている。しかし、ビデオチャットしたり、エサを振り出したりする機能はユニークで、しかも発明者がティーンエイジャーの女の子だということもあってか、さまざまなメディアに取り上げられている。
【参照情報】
・iCPoochのウェブサイト
・A 21st century 'dog and bone'
・iCPooch is a video chat, treat-dispensing soother for your anxious dog
・ネットを介して離れたペットと遊ぶ
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