2013年9月、ノキアは英国サウサンプトン大学と協力して、雷でスマートフォンの充電をする実験を行っていることを明らかにした。ノキアが公開した動画で実験の様子を見ることができる。同社のスマートフォン「Lumia925」を利用して実験をしており、ほんの少しだが充電に成功したとのことである。まだ実験の初期段階であり、具体的な商用時期は未定である。
2013年9月にマイクロソフトがノキアの携帯電話部門の買収を発表したばかりであるが、ノキアは以前から太陽高光発電(ソーラー)を活用した充電など新たな挑戦の実験や実用化を行っている。太陽光と同じように、雷が再生可能エネルギーとしてスマートフォンの充電が実現するようになるのだろうか、今後も期待される。
ノキアは現在でも全世界での携帯電話の販売台数は年間に3億台を超えており、その販売台数は昨年サムスンに抜かれ2位になったが、それまではここ10年以上1位で世界での知名度は高い。スマートフォンでは乗り遅れてしまい、Android陣営に後塵を拝してしまったノキアだが、技術力は有している。マイクロソフトに買収されてからも、今後もこのような基礎研究を充実し、携帯電話業界の発展に貢献してもらいたい。
▼Nokia Lumia - Harnessing the power of lightning:動画内に、雷が電気であることを明らかにしたフランクリン・ベンジャミンの言葉「人類と獣の両方にとって破壊者である("It has been fatal to many, both man and beast")」がある。
【参照情報】
・Nokia enslaves God of Thunder, charges phone with lightning
・Nokia Tests Phone Charging using Lightning
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。