ビベンディのモロッコ子会社、エティサラートが株式の過半数を取得へ
2013.11.06
Updated by WirelessWire News編集部 on November 6, 2013, 11:37 am JST
2013.11.06
Updated by WirelessWire News編集部 on November 6, 2013, 11:37 am JST
中東の大手携帯通信事業者エティサラート(Etisalat:正式名称はEmirates Telecommunications Corp.)が、フランスのメディア・通信企業ビベンディ(Vivendi SA)傘下の携帯通信事業者で、モロッコなど複数のアフリカ諸国で事業を行うマロク・テレコム(Maroc Telecom)の株式53%を総額42億ユーロ(約57億ドル)で取得することになった。
エティサラートがビベンディに支払う金額の内訳は、マロク・テレコムの株式分が39億ユーロ、またこの株式への配当(2012年分)が3億ユーロ。ビベンディによれば、この取引はモロッコ国内での審査を経て、2014年はじめにも完了する予定という。
現在中東やアフリカ、アジアなど15か国で携帯通信事業を展開するエティサラートだが、今回の取引が完了すれば、新たにモロッコとモーリタニア、ブルキナファソ、マリの4か国での事業が加わることになる。なお、同社はアフリカではスーダン、ナイジェリア、ニジェールで事業を行っており、これらの国での顧客ベースは今年始めの9か月間で6%成長、1200万人まで拡大している。
このほか、WSJによれば、エティサラートはインドのバーティ・エアテル(Bharti Airtel)傘下のスリランカ事業者についても買収交渉を進めているとされており、同社の傘下企業でパキスタンの携帯通信事業者であるPTCLもアブダビのワリード・テレコム(Warid Telecom)に入札するなど、グループ全体として積極的な事業拡大を進めている。
いっぽう、ビベンディは近年、携帯通信関連の事業を売却し、音楽や有料テレビ、映画などメディアやコンテンツに関わるビジネスへの集中を目指している。同社は先ごろ、米国のビデオゲームメーカーであるアクティヴィジョン・ブリザード(Activision Blizzard)の株式の大半を売却したほか、先週には傘下にあるフランスのテレビ局カナル・プリュス(Canal Plus)の株式20%を買い増すことを明かしていた。
【参照情報】
・Vivendi to sell Maroc Tel stake to Etisalat for $5.7 billion - Reuters
・Etisalat to Buy Vivendi's Maroc Stake for $5.7 Billion - Bloomberg
・Etisalat to Pay Vivendi $5.3 Billion for Maroc Telecom Stake - WSJ
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