アップル、新たに2社のOEM業者と契約か - 生産体制強化へ(WSJ報道)
2013.11.07
Updated by WirelessWire News編集部 on November 7, 2013, 11:07 am JST
2013.11.07
Updated by WirelessWire News編集部 on November 7, 2013, 11:07 am JST
アップル(Apple)が同社のスマートフォンやタブレットの生産台数を引き上げるため、新たに2社のOEMメーカーと契約を結ぼうとしているとする関係者の話をWSJが報じている。
WSJによれば、アップルが新たに契約を結ぶのは、台湾のウィストロン(Wistron)とコンパル・コミュニケーションズ(Compal Communications:以下、コンパル)で、前者には「iPhone 5c」、後者には「iPad mini」の製造を外注する見通しという。
アップルは、現在メインのサプライヤーとしてフォクスコン(Foxconn、またはHon Hai Precision Industry)と契約を結んでおり、フォクスコンの売上に占めるアップル製品の割合は約40%に達するとWSJは記している。但し、フォクスコンの労働環境をめぐる問題がアップルにとって悩みのタネになっているほか、不具合のある「iPhone 5」の返品率が高く、修理にかかる作業のコスト負担をめぐって、両社の関係がギクシャクしたものになっているとするJPモルガン(JP Morgan)アナリストのコメントが引用されている。
さらに、フォクスコンのテリー・ゴウ(Terry Gou)会長にはアップルからの発注量増加に伴う受注価格の引き下げに応じるつもりはなく、また同社では特定の顧客に依存しすぎるリスクを考慮し、大規模な生産体制の増強に慎重な姿勢をとっているというフォクスコン幹部のコメントも紹介されている。
アップルでは、9月後半に発売した最上位機種「iPhone 5s」の品不足が深刻で、また今月中にリリース予定の新型「iPad mini」(Retinaディスプレイ搭載)についても供給不足が懸念されている。
この話題を採り上げたThe Vergeでは、「アップルがフォクスコンに割り当てたiPhone 5sの今期の発注量を引き上げたものの、生産能力を引き上げるには一定の時間がかかる」などとするフォクスコン幹部の発言に触れながら、現状でフォクスコンとペガトロン(Pegatron)が分担している「iPhone 5c」の製造に関し、フォクスコンの負担を引き下げることで同社に「iPhone 5s」の生産に集中させることが可能になると指摘している。
ウィストロンは、ブラックベリー(BlackBerry)やノキア(Nokia)などのスマートフォンの製造を請け負ってきた企業、いっぽうのコンパルはレノボ(Lenovo)のタブレットやソニー、ノキア(Nokia)のスマートフォンを製造しているOEMで、WSJによれば、ウィストロンがアップル製品の製造を開始するのは年内、またコンパルについては2014年はじめになりそうだという。また、The Vergeでは、新に契約する2社の生産開始時期をふまえ、今年の年末商戦期には間に合わないかも知れないが、年明け以降には供給不足解消に寄与する可能性があると述べている。
【参照情報】
・Apple Adds Suppliers to Boost Smartphone, Tablet Production - WSJ
・Apple will add new manufacturers to keep up with iPhone and iPad demand, reports WSJ - The Verge
http://www.theverge.com/2013/11/6/5072582/apple-reportedly-expanding-supply-partners-ipad-mini-iphone-5c
・Apple adding suppliers to boost iPhone 5c, iPad mini output for 2014 - Apple Insider
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