米携帯通信キャリアのモバイル決済JVのISIS、全米でサービスを開始
2013.11.18
Updated by WirelessWire News編集部 on November 18, 2013, 11:06 am JST
2013.11.18
Updated by WirelessWire News編集部 on November 18, 2013, 11:06 am JST
ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)、AT&T、T-モバイル(T-Mobile)らが中心となって立ち上げたモバイル決済関連のジョイントベンチャー(JV)、ISISが米国時間14日、全米でのサービスを開始した。
ISISには、大手携帯通信事業者3社のほか、クレジットカード会社のマスターカード、ビザ(Visa)、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ディスカバー(Discover)、英金融機関バークレイズ(Barclays)などが参加。2010年11月のJV立ち上げ発表時には、NFC技術を使ったいわゆる「おサイフケイタイ」の取り組みとして大きな注目を集め、昨年10月には、テキサス州オースティンとユタ州ソルトレークシティーの2箇所でトライアルを開始していた。
ISISのサービスを利用するには、NFC(Near-Field Communication:近距離無線通信)機能を搭載するAndroidスマートフォンが必要なほか、ユーザーは自分が契約する携帯通信事業者で専用SIMカードを受け取り、さらにGoogle Playから専用アプリをダウンロードする必要がある。また現時点では、「American Express」「Chase」のクレジットカードに対応するが、他社のクレジット/デビットカードでも「American Express Serve」に金銭をチャージすることで利用可能だという。なお、NFCに対応していないiPhoneは現時点で利用ができないものの、関係者によれば、NFCチップを搭載する専用ケースが今後発売される予定だという。
同サービスは、CVS、メイシーズ(Macy's)、ジャンバジュース(Jamba Juice)、レディオシャック(Radio Shack)、ウォルグリーンズ(Walgreens)などとすでにパートナー契約を結んでおり、これらの全米の店舗で利用が可能になる。またISISは普及拡大のため、ユーザーへの一部自動販売機でのジュース無料サービスやジャンバジュースのスムージー無料提供、American Express Serveユーザーへの割引サービスなどを行うという。
スマートフォンの急激な普及とともに導入が進むモバイル決済サービスについては、グーグル(Google)も「Google Wallet」ですでにサービスを開始しているほか、クレジットカード会社などの金融系企業、ペイパル(PayPal:イーベイ傘下)といったウェブサービス大手、それにスクウェア(Square)といったベンチャー企業などが参戦している。
同時に、クレジットカードなどが広く普及した米国では、消費者の間でおサイフケータイに対する関心が総じて低く、また新たにNFC対応POS端末を導入しなければならない小売事業者などでも、端末購入に二の足を踏む者が少なくないとされてきた。そうした影響から、たとえばグーグルは9月にリリースした「Google Wallet」のAndroid/iOSアプリで、NFCチップを搭載しないモバイル端末でも同サービスが利用できるようにしていた。
【参照情報】
・Isis Mobile Wallet goes live nationwide, offers freebies - CNET
・Carrier-backed Isis mobile payment system rolls out nationwide - The Verge
・KaChing! US carrier-backed Isis Wallet program is live - GigaOM
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら