アマゾン、無人飛行機による商品配送を計画 - テレビ番組でデモ映像公開
2013.12.02
Updated by WirelessWire News編集部 on December 2, 2013, 14:24 pm JST
2013.12.02
Updated by WirelessWire News編集部 on December 2, 2013, 14:24 pm JST
アマゾン(Amazon)が小型の無人飛行機(いわゆる"drone")を使った商品配送を視野に入れて研究を進めていることが明らかになり、多くの米メディアなどで話題を呼んでいる。
Amazon Prime Air
http://youtu.be/98BIu9dpwHU
この映像は米国時間1日晩にCBSの報道番組「60 minutes」のなかで放映されたもの。「Prime Air」というこの計画では、顧客が注文してから30分以内に商品を届けることが目標だという。
この話題に触れたThe Vergeでは、アマゾンのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)CEOが「Prime Airについて米連邦航空局(FAA)から承認を得る必要があることなどから、実現までにはあと4〜5年はかかる」との見通しを語ったと記している。
アマゾンが商品配送に関する業務の自動化に高い関心を持っていることは、昨年のキヴァ・システムズ(Kiva Systems)買収などの例からもよく知られている。また米国では今年に入って、アマゾンや同社と競合するイーベイ(eBay)などの各社の間で、即日配送サービスをめぐる競争が過熱している。
いっぽう、先週にはBBCが英国内にある配送センターの内幕を取材した潜入レポを報道、そのなかで「広大な配送センターのなかを回って商品をピックアップする派遣従業員は1日に11マイルも歩かされることもある」といった実情や、(その労働環境について)「精神を病む可能性も高い」とする医療専門家のコメントが報じられていた。さらに、ドイツにある一部の配送センターでは、正規雇用の従業員が物流業界よりも高い小売業界の規準に沿った賃金を支払うよう同社に求めてストライキに入ったことも報じられている。
アマゾンにとって配送に関わる全行程の自動化・無人化は、こうした人事関連の問題をも併せて解決する「究極の効率化」といえる。そのいっぽうで、この計画が実現すれば配送センターでの雇用の喪失につながる可能性も高く、同社の法人税支払い問題などに対する風当たりも一段と強まることも予想される。
【参照情報】
・Amazon's Jeff Bezos looks to the future - CBS News
・Delivery drones are coming: Jeff Bezos promises half-hour shipping with Amazon Prime Air - The Verge
・Amazon workers face 'increased risk of mental illness' - BBC
・German Amazon workers strike in long-running dispute over pay - The Guardian
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