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ソフトウェア特許権の是非を問う訴訟、米最高裁へ

2013.12.09

Updated by WirelessWire News編集部 on December 9, 2013, 13:43 pm JST

コンピューターのソフトウェアに対して特許権が認められるかどうかを問う裁判が、約30年ぶりに米最高裁で審理されることになったとReutersなどが伝えている。

Reutersによると、米連邦最高裁は現地時間6日、アリス・コーポレーション(Alice Corporation)という金融関連のソフトウェアを開発する企業が保有するソフトウェア関連特許4件に対し、CLSバンク・インターナショナル(CLS Bank International)が無効を主張していた裁判について、アリス社側の控訴を認め、最高裁で審理を行うことを明らかにしたという。

両社間の裁判は、まず一審で該当のアイディアはそもそも特許権による保護の対象にはあたらないとする判決が下されていた。続く連邦巡回区控訴裁での審理では、5対5で判断が割れ、一審での判決が維持されることとなっていた。

Washington Postによると、米国では1970年代から80年代にかけ、数学的なアルゴリズムは特許権による保護の対象にならないとする見解が裁判所で示されていた。そのため、テクノロジー業界ではソフトウェアの特許権は取得できないとする考えが有力だった。しかし90年代に入ると、連邦巡回区控訴裁で特許権保有者に有利な判決が下されるようになり、ソフトウェア関連の特許権取得が急増した結果、テクノロジー業界で特許権に関わる訴訟が頻発することにつながったという。

さらに現代では特許権を主な収入源とし、むやみに訴訟等を繰り返す「パテント・トロール」の存在が大きな問題になっている。パテント・トロールによって引き起こされた訴訟の費用は2011年に全米であわせて290億ドルに達していたという。

なお、Reutersでは、この問題についてグーグル(Google)、フェイスブック(Facebook)、ヒューレット・パッカード(HP)、ネットフリックス(Netflix)などの各社が、同様の争点が争われていたワイルドタンジェント(WildTangent)対ウルトラマーシャル(Ultramercial)の訴訟を採り上げるよう最高裁に求めていたが、こちらについては審理は行われないことになったとしている。

【参照情報】
Supreme Court to decide on patent protections for software - Reuters
The Supreme Court could abolish software patents next year. Here's why it should. - Washington Post
Supreme Court to review patents on software - GigaOM

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