カナダのAthos社が開発している長袖のシャツと膝丈のパンツはそれぞれ99ドルと高額だが、内蔵の筋肉トラッキング用センサーでエクササイズ中の筋肉の動きを正確にトラッキングしてくれる。創業者の2人はウォータールー大学卒のエンジニアで、医療機関で使われている筋電図検査(EMG)用のセンサーを組み込んだシャツとパンツに、コア(Core)と呼ばれるデータ通信用のハブ装置(199ドル)を開発中。22の筋肉グループをトラッキングでき、もちろん、洗濯することもできる。
どの筋肉群を使っているかだけでなく、身体のバランスや運動のリズム、呼吸、心拍数なども記録してくれ、Bluetooth 4.0で、シャツかパンツに取り付けたコアからiOSデバイスなどにデータが送られる。すでに多くのアスリートやトレーナーがテストを行っているという。発売予定は2014年の夏。
ドイツのフラウンフォーファーIIS(集積回路研究所)のFitnessSHIRTもその名のとおりフィットネス用のシャツで、呼吸、心拍などをトラッキングする。発売は2014年で、シャツの素材に織り込んだ導電性織物の電極で、着ている人の心臓の運動を捉える。また、上半身に身につけるバンドで胸の動きを捉えて呼吸を測る。データはスマートフォンに無線で送られる。フィットネス用途とともに、運動量が少なくて呼吸が落ち着いているのに心臓の鼓動が激しい場合には心臓に問題があるのではないかと警告を発するなど医療目的も考えられるという。
これまでトレーニング中の心拍数モニタリングには、胸の周りなどにバンドを巻いてセンサーを固定するタイプが主流だった。バンドは締め付けるので装着した感触に課題があるようで、AT&Tなども「着る」タイプに以前から着目していた。
【参照情報】
・Athosのウェブサイト
・フラウンフォーファーのプレスリリース
・AT&Tの「着る」モバイルヘルス
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