グーグルとサムスン、包括的なクロスライセンス契約を締結
2014.01.27
Updated by WirelessWire News編集部 on January 27, 2014, 12:09 pm JST
2014.01.27
Updated by WirelessWire News編集部 on January 27, 2014, 12:09 pm JST
グーグル(Google)とサムスン(Samsung)は米国時間26日、両社が現在保有する特許や今後取得する特許の使用を相互に認める新たな契約を結んだことを発表した。
サムスンの発表によると、この契約の有効期間は10年間で、対象はモバイル分野のほか、多岐にわたる分野の技術特許に関するものだという。ただし、対象となる特許の具体的な数などは明らかになっていない。
サムスンはAndroid OSを搭載するモバイル端末に関し、訴訟回避の目的からマイクロソフト(Microsoft)とライセンス契約を2年ほど前に結んでいた。いっぽう、アップル(Apple)とは2011年以降、世界各地で多くの特許訴訟を戦ってきている。このため、今回のクロスライセンシング契約の狙いについて、さらなる特許訴訟を抑止するためのものとする見方がある。
また、サムスンが現在Android陣営を代表する端末メーカーであることから、モバイルOS分野におけるアップル対グーグル(Google)の戦いで代理戦争を戦っているサムスンに対し、グーグルが従来以上の支援の手を差し伸べることにしたとの可能性も考えられる。
サムスンとグーグルの関係者は声明のなかで、テクノロジー関連企業同士が「不必要な特許関連の訴訟を争うよりも、互いに協力したほうが得るものが多い」「訴訟の可能性を減らすことで、代わりに技術革新に集中できる」などとそれぞれ主張している。ただし、いっぽうでグーグルが特許取得に力を入れてきていることも既報の通り。また昨年暮れには、旧ノーテルの特許をオークションで入手した企業グループのロックスター(Rockstar)をグーグルが訴えたことも報じられていた。
ロックスターはアップルやマイクロソフト、ブラックベリー(BlackBerry)、エリクソン(Ericsson)、ソニーらがつくった特許管理会社で、やはり昨年暮れには保有する特許の売却先探しを進めているとの話も伝えられていた。さらに今月半ばには、ロックスターが同社の管理する必須標準特許(FRAND特許)について一方的な条件でライセンス料支払いを要求したとして、米チャーター・コミュニケーションズ(Charter Communications)など5社のケーブルテレビ事業者が同社を訴えてもいた。
【参照情報】
・Samsung and Google Sign Global Patent License Agreement - Samsung
・Google and Samsung reach global patent license deal - GigaOM
・Samsung, Google Strike Wide-Ranging Patent Cross-License Deal - Re/code
・Google, Samsung strike patent cross-licensing deal - CNET
・Google's Growing Patent Stockpile - Technology Review
・Google's patent rank shoots up as company stakes out wearable tech - GigaOM
・Google sues to protect Android device makers from Apple-backed patent hell - GigaOM
・Apple-Backed Rockstar Said to Be in Talks to Sell Patents - Bloomberg
・Cable industry sues Apple-backed patent troll over "illegal conspiracy" - GigaOM
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら