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グーグル、AI研究開発のディープマインドを買収 - 買収額は4億ドル以上(Re/code報道)

2014.01.27

Updated by WirelessWire News編集部 on January 27, 2014, 14:40 pm JST

グーグルがディープマインド・テクノロジーズ(<DeepMind Technologies)という創業3年目のAI(人工知能)関連ベンチャー企業を、推定4億ドル以上で買収したことが明らかになり、多くの媒体で注目を集めているようだ。

この話を伝えたRe/codeの記事には、グーグルの「ラリー・ペイジ(Larry Page)CEO自らが買収交渉の先頭に立った」とする情報源の話や、ディープマインドは「ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)やホライズンズ・ベンチャーズ(Horizons Ventures)が出資」「グーグルやフェイスブック(Facebook)、バイドゥ(Baidu)などと人材獲得競争を続けてきていた」「AI分野で最大かつ最後の独立系企業」といった業界関係者の話も出ている。

いっぽう、このニュースをフォローしたThe Informationでは、「ディープマインドをめぐってグーグルとフェイスブックの間で獲得競争が生じ、最終的に5億ドル以上を支払うことしたグーグルに軍配が上がった」「この売却決定に伴い、ディープマインドとグーグルは、データの取り扱いなどについて協議する倫理委員会(ethics board)を設けることが決まった」などとする話も出ている。

また同ブログでは、「昨年後半にディープマインドとフェイスブックとの間で買収交渉がかなり進んでいたが、この話し合いが物別れに終わった理由は不明」とする記述も見られる。ピーター・ティールのファウンダーズ・ファンドーースペースX(Space)やパランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)などにも出資ーーやリカシン(李嘉誠、Li Ka-shing)のホライズンズ・ベンチャーズが、いずれもフェイスブックへの投資でつながる関係にあることを考えると、この交渉が進んでいた可能性は高く、それをグーグルが横取りしたという線も考えられそうだ。

Re/codeでは、ディープマインドについて「ロンドンに拠点を置く創業約3年のベンチャー」「すでに5000万ドル以上の資金を調達し、積極的に人材獲得を進めている」などと説明。また同社の3人の創業者、なかでも「チェスの神童」と称されたこともあるデミス・ハッサビス(Demis Hassabis)という人物らの才能をグーグルが手に入れた、などと記している。

人工知能あるいはディープラーニング(Deep learning)の分野では、近年グーグル、フェイスブック、バイドゥなどの大手各社が積極的な研究開発や、そのための有力研究者獲得の動きを進めてきているとされる。

また今月なかばにグーグルがネスト・ラボ(Nest Labs)の買収を発表していた際には、さっそくユーザー・プライバシーの侵害を懸念する大きな声が上がっていた。ディープマインドがグーグルへの売却に際して求めたとされる倫理委員会の設立は、こうした懸念の低減・払拭を意図した予防策とも考えられる。

【参照情報】
Exclusive: Google to Buy Artificial Intelligence Startup DeepMind for $400M - Re/code
Google Beat Facebook for DeepMind, Creates Ethics Board - The Information
Facebook, Google in 'Deep Learning' Arms Race - The Information
Meet the Man Google Hired to Make AI a Reality - Wired
Facebook Taps 'Deep Learning' Giant for New AI Lab - Wired
'Chinese Google' Unveils Visual Search Engine Powered by Fake Brains - Wired

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