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用途はやはりiPhone向けか - サファイアクリスタル液晶の製造準備を急ぐアップル(9to5Mac報道)

2014.02.10

Updated by WirelessWire News編集部 on February 10, 2014, 12:32 pm JST

アップル(Apple)がサファイアクリスタル・ディスプレイの製造準備を進めており、これが次世代のiPhoneに採用されそうだとの話を、9to5Macブログが伝えている。

9to5Macによると、アップルと昨年11月に提携を発表したGTアドバンスト・テクノロジー(GT Advanced Technologies)が、サファイアクリスタル製ディスプレイの製造に必要な機材の確保を進めているという。同ブログが入手した関係書類によると、この機材のなかには人造サファイアの製造に関連する検査ツールや溶鉱炉などが含まれ、具体的には発注した溶鉱炉のうち518基が納品済みで、そのほかにこれから組み立てられるものが420基ある、また溶鉱炉を加熱するための100トンを超えるグラファイトも発注されている、などとなっている。

9to5Macでは、これらの機器の年間生産能力について、5インチの液晶ディスプレイ換算で最大2億台分を超える可能性もあるとしている。

またこの話題に触れたTechCrunchでは、独自の情報筋から得た話として、GT社が高硬度の素材加工に利用されるダイヤモンドカッティングシステムを大量に発注したと伝えている。

アップルは昨年11月、GTアドバンストと5年間にわたる提携を締結し、その一環としてアリゾナ州に新工場が建設されることも明らかになっていた。またこの新工場を今年2月にも稼働させようと、アップルが大急ぎで準備を進めているとする話も一部で報じられていた。

いっぽう、GT社が先ごろ米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類には、同社とアップルがサファイアクリスタル製造において独占的な提携関係にあると書かれていることから、これらの機材を使って製造されるサファイアクリスタルが他社に提供される可能性はないと同ブログは記している。

最新iPhoneの「Touch ID」センサーやカメラの保護レンズなどにもすでに利用されているサファイヤクリスタルは、強度や硬度(割れにくさや傷つきにくさ)の点でガラスよりも優れているとされる。その反面、ディスプレイなどの大きなものに使おうとすると重量が問題になるとの指摘もある。そうしたことから、Appleでは液晶ディスプレイの表面保護にこれを利用するのではといった見方もあがっている。

【参照情報】
Apple just procured enough Sapphire Crystal furnaces to make 100-200M ~5-inch iPhone displays in Arizona - 9to5 Mac
Apple reportedly eyes sapphire crystal screen ramp - ZDNet
Apple Said To Have Acquired Sapphire Display Manufacturing Components, Diamond Cutting Tools - TechCrunch

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