ドイツのアンゲラ・メルケル（Angela Merkel）首相とフランスのフランソワ・オランド（Francois Hollande）大統領が欧州時間19日に行う会談のなかで、欧州各国を結ぶ専用通信ネットワークの構築・展開を議題のひとつとして採り上げるという。米国家安全保障局（NSA）による広範なデータ収集などに対する懸念から発した動きとされているが、グーグル（Google）やフェイスブック（Facebook）なども名指しで問題視されていることから、欧州で活動する米国企業には大きな影響が生じる可能性もありそうだ。

Reutersによると、メルケル（Angela Merkel）首相は14日に配信したポッドキャストのなかで、オランド大統領との会談ではハイレベルのデータ保護を保つための方法について検討する考えであることを明らかにするとともに、データ保護に関して高い水準を求められるドイツのような国々で、要求水準の低い米国企業が活動することは承認しがたいとして、グーグルやフェイスブックの名前を挙げたという。またオランド大統領側からも独仏両政府の間でこの問題に関する協議が進められてきており、メルケル首相の提案に大筋で同意しているという。

NSAや英GCHQによる諜報・監視活動に関しては、世界中の携帯電話やネットワーク、ウェブサービスなどの多岐にわたる情報収集が行われてきたことがこれまでに明らかになっている。このなかでは、メルケル首相自身の携帯電話も長年にわたって盗聴されていた報道も出ていた。なお、ドイツは現在、米国と相互にスパイ活動を禁止する協定の締結も目指しているが、現時点では合意に至っていないという。

【参照情報】
・Merkel, Hollande to discuss European communication network avoiding U.S. - Reuters
・Data protection: Angela Merkel proposes Europe network - BBC
・Germany and France are working together to keep internet traffic away from the US - The Verge