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WhatsApp、今年中に音声通話を提供へ - ザッカーバーグCEO:「長期的な成長に期待」

2014.02.25

Updated by WirelessWire News編集部 on February 25, 2014, 15:07 pm JST

バルセロナ(スペイン)で開催中の「Mobile World Congress 2014」で、先週ワッツアップ(WhatsApp)の買収を発表したフェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOと、ワッツアップのジャン・コウム(Jan Koum)CEOが基調講演を行った。

Re/codeによると、ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは今回の買収について、「190億ドルという金額以上の価値がワッツアップにはあると思う」などとし、同社経営陣に向こう5年間はユーザー数拡大に専念させる考えなどを明らかにしたという。

ユーザー拡大を先に進め、収益化(マネタイズ)の方法については後から考えるという戦略は、フェイスブックをはじめ、ツィッターなどの他社でも採用してきているもの。またフェイスブックが一昨年に10億ドル近い金額で買収したInstagramでも、いまだにマネタイズの試みは実施されていない。フェイスブック自体は、IPO後からしばらく懸念されていたPCからモバイル(広告)へのシフトが、昨年後半から順調に進んできており、最近では株価も最高値を更新し続けている。今回の発言はそうした流れを受けてのものとも思われる。

いっぽう、ワッツアップのコウムCEOは早ければ今年4月から無料の音声通話サービスを提供する考えを明らかにした。このサービスはまずiOSならびにAndroidアプリで利用できるようになり、その後はWindows Phone、Blackberry、Nokiaにも対応予定。同CEOによると、この音声サービスでも「シンプルさ」を追求しているという。

なお、ワッツアップでは「広告なし、ゲームなし、ギミックなし」をモットーにこれまでサービス提供をつづけてきており、またコウムCEOの生い立ち(旧ソ連のウクライナ)などを理由にユーザーのプライバシー保護にも力を入れているなどと、買収発表後に多くの媒体に語っていた。いっぽう、フェイスブックはいまだに広告売上が収入の大半を占めており、またプライバシー情報の取り扱いをめぐって過去にユーザーとの軋轢が何度も生じていたことは周知の通り。

さらに、フェイスブックがワッツアップに対し、ユーザーひとりあたりざっと40ドル近い獲得コストを支払ったことや、ワッツアップにはいまのところ(サービス利用開始から2年目以降のユーザーに)年間1ドルの課金というマネタイズの方法しかないことなどを考え合わせると、コウムCEOが当面の目標とする10億人以上のユーザーを獲得した後に、具体的にどのような方法で投資の回収を図ってくるかなどが注目される。

【参照情報】
Don't Expect Facebook's WhatsApp to Make Any Real Money for Years - Re/code
Facebook's Zuckerberg: WhatsApp Worth More Than Its Price Tag - WSJ
WhatsApp CEO: Aiming for Voice Product in Second Quarter - WSJ

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