英政府、デジタルコンテンツ販売への課税を強化 - 米企業などの租税回避に対抗(The Guardian報道)
2014.03.25
Updated by WirelessWire News編集部 on March 25, 2014, 15:28 pm JST
2014.03.25
Updated by WirelessWire News編集部 on March 25, 2014, 15:28 pm JST
英政府がアプリや電子書籍、音楽などのダウンロード販売に関する課税方針を変更する方針を示したことで、2015年からは英国内で販売されるすべてのデジタルコンテンツに一律20%の付加価値税(VAT)が適用されることになるという。
この話を報じたGuardianによると、今回の方針変更はジョージ・オズボーン(Geroge Osborne)英財務相の主導によるもので、これまで見逃されてきたデジタルコンテンツ販売に関わる税金の抜け穴をふさぐものだという。アップル(Apple)やアマゾン(Amazon)などの企業は、EU域内の他の国で登記した子会社を通じて英国内でデジタルコンテンツの販売を行っているが、こうした取引ではこれまで子会社が登記された国の税率でVATを支払うことが認められていた。ただし、たとえばルクセンブルクではVATの税率が3%と英国のそれに比べてはるかに低いことから、英国内の企業からは不公平との批判の声も出ていたという。
アップルやアマゾン、グーグルなどの米企業による租税回避行為に対しては、以前から世界各国でこれを問題視する声が上がってきているが、G20などの場で規制に向けた方針は出されつつも、関係諸国間での調整などに手間取り、いまのところ具体的な対抗策は実施されずにきている。また、とくに欧州の一部では米国企業のやり方に対する反発も強く、たとえば英国では数年前から再三にわたってグーグルやスターバックス(Starbucks)の租税回避が国会(英下院)などで追求されてきている。
今回示された新たな方針は2015年1月1日から適用される予定。この変更により、英国政府にとっては年間3億ポンド(4億9400万ドル)の税収増が見込まれているという。
【参照情報】
・George Osborne closes tax loophole on music and book downloads - The Guardian
・British consumers face iTunes price hike after tax policy change - Apple Insider
・Change In UK Tax Law Could Raise The Price Of Music And Apps In The Country - TechCrunch
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