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仏ビベンディ、傘下のSFRをアルティスに売却へ - 仏当局の出方などが焦点に

2014.04.08

Updated by WirelessWire News編集部 on April 8, 2014, 13:54 pm JST

仏メディア・通信企業のビベンディ(Vivendi)は欧州時間5日、同社傘下の携帯通信事業者SFRを、ケーブル事業を運営するアルティス(Altice SA)に170億ユーロ(233億ドル)で売却することを発表した。

ビベンディはこの売却により、アルティスから135億ユーロを現金で受け取るとともに、アルティス傘下のケーブル事業者で仏市場最大手のニュメリケーブル(Numericable)とSFRとの合併新会社の株式20%を取得する。また、これとは別にこの新会社の業績が一定の目標に達した場合、7億5千万ドルを受け取ることになるという。

仏携帯通信市場2位のSFRをめぐっては、アルティスならびに、仏携帯通信市場3位のブイグテレコム(Bouygues SA)の2社が買収に名乗りを上げていた。ビベンディはSFRの売却先として結局アルティスへを選んだ理由について、規制当局の承認が下りる可能性が高いためとしている。また、ビベンディは取得する新会社の株式についても、将来的に売却する考えを明らかにしているという。

アルティスはSFR買収のために、新株発行を通じて47億ユーロを調達するほか、残りの88億ユーロは借入れで賄うことになるという。アルティスによれば、買収は今年第4四半期に完了する見込みで、買収後もSFRのブランド名は維持されるという。

ビヴェンディは2011年4月に英ボーダフォン(Vodafone)からSFRの株式44%を取得し、同社を完全子会社化していたが、その後事業内容の見直しを進める中で、カナル+(Canal+)やユニバーサル・ミュージック(Universal Music Group)などのメディア関連事業に軸足を移す考えを示し、SFRの売却先探しを進めていた。

このSFR買収合戦をめぐっては、仏オーランド政権のアルノー・モントブール(Arnaud Montebourg)産業相がブイグテレコムに肩入れする発言をしていたことなども報じられていた。同産業相は、アルティスを創業したモロッコ生まれのパトリック・ドライ(Patrick Drahi)会長が、現在スイスに住所を移していることやアルティスの持ち株会社をオランダのアムステルダムで登記していることなどを理由に、ビベンディがSFR売却先としてアルティスに傾いていることに不快感を示していたという。またアルティスと競合するイリアド(Iliad)のザビエル・ニール(Xavier Niel)CEOは、ドライ会長のやり方を税金逃れとして非難していたという。

こうした批判に対し、ドライ会長はモントブール産業相と会って、SFR買収後も人員削減を行わないことなどを伝える考えを示しているという。

なお、Bloombergでは、SFR買収に失敗したブイグが、今後はイリアドへの携帯通信事業売却を模索する可能性もあるとしている。


[Vivendi Chooses Altice's 17B Euro Bid for SFR - Bloomberg TV]

【参照情報】
Vivendi Selling SFR to Altice in $23 Billion Deal, Hard-Fought Win for Drahi - Bloomberg
Outsider Drahi says French meritocracy helped him win SFR - Reuters
Vivendi's SFR Call Widens Rift - WSJ
Vivendi Chooses to Sell Mobile Phone Unit to Altice, Ending Noisy Bidding War - NYTimes
Billionaire Drahi Faces French Scrutiny in SFR Bid - Bloomberg

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