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米600Mhz帯オークションをめぐる駆け引き活発化 - AT&Tが「ボイコットも辞さず」

2014.04.18

Updated by WirelessWire News編集部 on April 18, 2014, 13:41 pm JST

米国で2015年の実施が予定されている600MHz帯の周波数帯オークション(インセンティブ・オークション)について、AT&Tが現地時間16日、米連邦通信委員会(FCC)が導入を検討しているとされる「入札制限」に抗議する書簡を送ったことが明らかになった。同社では同オークションに参加しない可能性も視野に入れているという。

FCCは、600MHz帯オークションに関し、特定の地域で一社が入札・保有できる周波数帯に上限を設ける考えとされている。これに対し、AT&Tは書簡のなかでFCCが設けようとしている制限は「複雑で不必要なもの」であり、「他の企業の優遇につながる可能性がある」として、AT&Tとしてはこの制限が変更されない限り同オークションへの参加を考え直す必要がある、などとしているという。

600MHz帯の周波数帯オークションは、リバース・オークションと称されるテレビ放送局からの帯域取得と、携帯通信事業者などへの帯域割り当てに関わるオークションというふたつの部分に分かれるが、FCCでは後者の割当オークションについて、入札金額が一定額に達した場合、最大30MHz分の周波数帯を小規模な携帯通信事業者に割り当てるとする規定を設けることを検討しているとされる。この制限が実際に適用されると、すでに多くの周波数帯をもつAT&Tやベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)では新たに周波数帯を獲得することができなくなる。この制限は、主に大手2社にハンディキャップを与えることで他の通信事業者との体力の差を縮め、市場競争を促進するためのの措置とされるが、いっぽうで米政府がオークションから得る収入を最大化するためには、資金力で勝る大手2社の参加が必須とされている。またこの収入を使って、新たな警察・消防用の無線ネットワークを構築する計画もすでにある。

FCCは5月に予定する会合でこのオークションに関するルールを決めるとみられているという。また、いまのところ都市部で85MHz程度、地方ではそれを上回る周波数帯をオークションにかけることが可能とみられ、割当にあたっては5MHz単位とする案も浮上しているという。

【参照情報】
AT&T warns it might skip 600 MHz incentive auction due to FCC's proposed restrictions - Fierce Wireless
AT&T Threatens Boycott if TV Airwaves Auction Rules Aren't Changed - Re/code
FCC's rules for spectrum auction may level playing field for small carriers - Ars Technica
U.S. regulator reasserts goal to restrict AT&T, Verizon in auction - Reuters

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