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EU当局、「必須標準特許の濫用」に警告 - モトローラの独訴訟関連で

2014.04.30

Updated by WirelessWire News編集部 on April 30, 2014, 13:42 pm JST

EUの規制当局は欧州時間29日、モトローラ・モビリティ(Motorola Mobility;以下、モトローラ)がドイツで、アップルを相手取って起こしている特許関連の訴訟について「必須標準(FRAND)特許」の濫用にあたるとする考えを示した。モトローラに対して罰金等は課されないものの、法廷闘争を続けるスマートフォンメーカー各社などにクギを刺した動きとされている。

必須標準特許は、業界各社が標準規格に準拠した製品を開発する上で必要される技術に対する特許で、そのことから特許権保有者には「公平、妥当、非差別的」という原則にのっとったライセンス提供が求められている。

モトローラはドイツで、同社の保有する必須標準特許がアップルによって侵害されたとして訴訟を起こし、アップル製品の販売差し止めを求めていた。欧州委員会ではモトローラのこの行為が同社の市場での立ち場を悪用したものであり、ひいてはそれが消費者の利益を害することにつながるとの判断を下したと、この話題に触れたWSJでは伝えている。

欧州委員会の競争担当委員を務めるホアキン・アルムニア(Joaquin Almunia)氏は今回の判断について、「モトローラは販売差し止めという脅しを使って、非常に制限の多い条件での和解に合意することをアップルに強いようとした」「いわゆるスマートフォン関連の特許紛争は、消費者を犠牲にして行なわれるべきではない」などとコメントしたという。

なお、欧州ではサムスン(Samsung)がやはりアップルを相手取った特許訴訟で、欧州委員会から必須標準特許の濫用を指摘され、5年間にわたってこうした訴訟を起こさないことなどを条件に和解した例もある。

【参照情報】
Motorola Mobility Escapes EU Fine in Patent Dispute - WSJ
European Union moves to end smartphone patent wars - Reuters
Motorola Mobility, Samsung Escape EU Fines in Apple Clash - Bloomberg
Europe tells tech firms to stop abusing standards-essential patents - GigaOM

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