AT&T、ディレクTV買収を検討 - コムキャスト-TWC合併に備えた動き(WSJ報道)
2014.05.01
Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2014, 19:15 pm JST
2014.05.01
Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2014, 19:15 pm JST
WSJが米国時間1日付で報じたところによると、米通信市場最大手のAT&Tが、衛星テレビ最大手のディレクTV(DirecTV)に接触し,買収の可能性について感触を探っているという。米有料テレビ市場では、コムキャスト(Comcast)によるタイムワーナー・ケーブル(Time Warner Cable、TWC)の買収計画の話が進行中であり、AT&TによるディレクTVへのアプローチはケーブル大手2社の合併を視野に入れた動きとされている。
各社の加入世帯数は、AT&Tが提供する有料テレビサービス(U-verse)が約570万軒、ディレクTVが約2000万軒、それに対してコムキャスト-TWCの合併が実現した場合新会社の契約数は約3000万世帯となる。また想定されるディレクTVの買収金額は少なくとも400億ドル(同社の時価総額)以上になるといった指摘もみられる。
WSJでは、AT&Tは過去にもディレクTVやディッシュ・ネットワーク(Dish Network)との提携を模索していたことがあったとする関係者の話を紹介した上で、2月にコムキャスト-TWCの合併計画が発表されたことを受けて、それまで欧州の携帯通信事業者獲得に向いていたAT&Tの目が、米国内のブロードバンド市場のほうにいっきにシフトしたなどと記している。またディレクTVでは2010年以降毎年加入者の伸びが頭打ちとなり,なかには減少に転じた四半期も2度あったという。
AT&TはディレクTVを買収することで「U-verse」サービス提供地域以外でも有料テレビサービスを提供することが可能となり、それを通じてテレビと携帯通信サービスのバンドリング提供を全米で展開できるメリットが挙げられている。両社はすでに部分的に提携しているが、現状では対象がブロードバンド・サービスに限られているという。コムキャストとTWCがともに有料テレビとブロードバンドをバンドル提供し、最近ではWi-Fiホットスポットの展開にも力を入れているきているなかで、AT&Tとしてはこの動きに対抗できる材料としてディレクTVに注目しているようだ。
なお、コムキャストが昨年半ばから「Fon」に似たWi-Fi接続共有機能がデフォルトで動作する新型のケーブル・モデムを同社のXfinityサービス加入者に勝手に送りつけ、後から実状を知った一部の顧客に不評を買った、といった話も報じられていた。
また4月上旬には、コムキャストの展開するWi-Fiアクセスポイントの数が100万ノードを突破したことが発表されていた。さらに4月半ばには、TWCが全米約3万3000箇所のアクセスポイントを「Hotspot 2.0」技術対応にアップデートしたことも伝えられていた。
【参照情報】
・AT&T Has Approached DirecTV About Possible Acquisition - WSJ
・AT&T Approached DirecTV About Possible Acquisition, WSJ Says - Bloomberg
・AT&T reportedly courting DirecTV for possible acquisition - CNET
・AT&T reportedly considering $40 billion DirecTV acquisition - The Verge
・Comcast customer surprised to learn new router is also public hotspot - Ars Technica
・Comcast's hotspot network grows to 1M nodes, driven by crowdsourced Wi-Fi - GigaOM
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