WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

コピーロボットへの道?

2014.05.07

Updated by Kenji Nobukuni on May 7, 2014, 11:30 am JST

SociBot
201405071130-1.jpg

小学生のパーマンたちがマスクを被って悪者と戦っている間、本人そっくりな姿で行動してくれるコピーロボットが留守を守ってくれている。宿題もしてくれるし、不在の間に勉強した内容や言動は、額をくっつけることで本人に移すこともできる。姿かたちが本人そのものなので、周囲の人々はまったく気づかない。子供なら代わりに勉強してくれるロボットなど夢のようだし、忙しい大人も自分のコピーがいてくれたらと思ったことがある人は多いだろう。

実際のロボットのほとんどはメカニックで、表情豊かなロボットが登場するのはハリウッド映画の中だけのようだが、ソシボット・ミニ(SociBot Mini)は「ソーシャル・ロボット」なので、人の表情、しかも、実際の人物に似せた表情を持っている。ソシボットは人間とのコミュニケーションをすることが仕事で、手作業などをするためのロボットではないので胸像のように手足はないが、顔に当たる部分に人の顔の映像を内側から映し出す。表情で感情を表現することができるらしい。顔は小さなLEDの集合体で構成されている。

SHOREという顔認識&追跡技術を使い、周囲にいる人々(最大12名)とやり取りすることが可能。音声認識、唇の動きと音声(12言語対応)の同期技術などを組み合わせている。

やり取りしている相手の性別や年齢を推定するほか、表情やジェスチャーなどから感情などをくみ取ることもできるようだ。Skypeなどの通話で、ソシボットを介し、友達の顔のデータを使えば、タブレットやPCのモニター越しよりも、ある意味「リアル」な会話が可能。イギリスのEngineered Arts社が開発し、9,500ポンド(約163万円)で販売している。腕を持つSociBot Kioskは14,500ポンド(約248万円)、顔の表情はないが、両手足のあるロボット、RoboThespianも販売されている。

販売先は個人宅ではなく、ショッピングセンターやテーマパーク、空港や旅行者向けインフォメーションセンターなどで、単にデジタルサイネージやタッチスクリーン式の情報提供端末を設置するのではなく、より、「ヒューマンタッチ」なコンテンツ提供を行いたい公共施設などが想定されているようだ。最初はちょっと不気味に感じるかも知れないが、表情を変えながら人間と会話していれば、目立つことは確かだろう。

【参照情報】
SociBotのウェブページ
SociBot: the 'social robot' that knows how you feel
Cool and creepy: SociBot Mini robot wears any face, recognizes gestures to liven up conference calls

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

RELATED TAG