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[2016年第32週]ポータブルSIMデバイスが製品化へ、「初めてのスマホ」で割引

2016.08.10

Updated by Naohisa Iwamoto on 8月 10, 2016, 10:47 am JST

8月に入ったこの一週間も、夏枯れすることなく多方面からトピックが飛び込んできた。モバイル通信端末とSIMカードの関係を新しく構築できる「ポータブルSIM」の製品化や、新しいアイデアを引き出すための試み、公共サービスなどへのスマートフォンやIoTの活用と、バリエーションは豊富だ。

新しいアイデアを実用化へ

最初は、ポータブルSIMの話題から。NTTドコモとCerevo(セレボ)は、NTTドコモが開発した「ポータブルSIM」技術を含む「PSIM Suite」のライセンス契約を結び、複数のSIMを自由に切り替えて通信できるようにするためのデバイス「SIM CHANGER ⊿」を開発した。

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SIM CHANGER ⊿を利用することで、各国の事業者ごとのSIMカードを装着して海外渡航時に手軽に切り替えたり、通話用とデータ通信用のSIMカードを装着して利用方法に応じて切り替えたりできるようになり、SIMと端末の1対1の関係を変えることになる。Cerevoは「SIM CHANGER ⊿」の生産販売のためのクラウドファンディングを開始し、2017年3月に発売する予定だ(関連記事:ドコモとCerevo、ポータブルSIMを実用化するデバイス「SIM CHANGER ⊿」を2017年3月発売へ)。

次のビジネスのアイデアそのものを導く動きもある。ソフトバンクは、革新的なソリューションや技術を世界から幅広く募集して商用化を検討、実現する「第2回 SoftBank Innovation Program」を開始する。このプログラムは、革新的なソリューションや技術を持つ企業とソフトバンクのリソースを組み合わせて、新しい価値の創出を目指すもの。第2回となる今回の募集テーマは「スマートホーム」「コネクテッド・ビークル」「ヘルスケア」「フィンテック」「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)」「ドローン」の6つとなる(報道発表資料:「第2回 SoftBank Innovation Program」を開始)。

Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)も日本のアイデアの実現を支援する。Bluetooth SIGは、IoTイノベーションを実現する製品やアイデアを表彰するコンテスト「Imagine Blueアワード2017」に日本語で応募できる特設サイトを開設した。Imagine Blueアワードは、Bluetooth技術を活用して「ヒトとデバイスとのつながり」「ヒト同士のつながり」「ヒトと身の回りの世界の新しいつながり」で新しいアイデアを生み出す、次世代のIoTイノベーションの創造を支援するコンテスト。「試作品部門」では1万ドル(約100万円)、「学生部門」では5000米ドル(約50万円)の賞金を授与する(関連記事:Bluetooth SIG、IoTイノベーションのコンテストに日本語応募サイト開設)。

スマホやIoTで公益サービス

公益的なICT活用につながるトピックもあった。LINEと東京都渋谷区は、行政サービスのIT化や高度化を通じた地域課題の解決に向ける「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」を締結したと発表した。LINEが地方自治体と協同する取り組みを行うのは、渋谷区が初めて。LINEは民間の力を活用して渋谷区の課題解決を支援する。今回の協定を通じて、LINEを使った行政サービスのオンライン化などを推進するという(関連記事:LINEと渋谷区が協定、行政サービスのオンライン化を支援)。

エーザイとMAMORIOは、認知症の方を対象としたお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」の開発について提携したと発表した。行政や医療従事者、介護関係者などの協力を得て、「Me-MAMORIO」の実用化に向けた実証実験と開発を行う。

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Me-MAMORIOは、Bluetoothによる通信を活用した小型タグで、スマートフォンとの間で近距離通信を行うことで認知症の方の位置情報を把握する。位置情報は介護関係者や家族に自動的に通知され、認知症の方の外出時の安全・安心を確保する(関連記事:エーザイとMAMORIO、認知症の方の外出を支援するIoTツールの開発で提携)。

ドコモ・バイクシェアと近畿日本ツーリストは、コミュニティサイクルの訪日外国人利用の拡大と受入体制整備に向けて業務提携した。コミュニティサイクルとは、街中に複数の自転車貸出拠点(ポート)を設置し、利用者はどこでも貸出、返却が可能な新しい交通手段。

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近畿日本ツーリストは、自転車が観光・旅行と親和性の高い乗り物であることを踏まえ、これまで観光分野で培ってきたノウハウや経験を活かし、日本国内旅行客や訪日外国人旅行客に自転車の観光活用を推進し、地方創生・観光立国実現を目指していく(関連記事:ドコモ・バイクシェア:訪日外国人への利用促進に向けて近畿日本ツーリストと業務提携、ブリヂストンサイクルと共同開発も)。

「スマホデビュー」に割引、新感覚動画チャット開始

このほか、エンドユーザー向けのサービス関連の話題もあった。NTTドコモは、はじめてスマートフォンを持つ契約者に対して、最大2年間にわたり毎月の基本使用料を1520円割引く「はじめてスマホ割」を実施する。この割引を適用した場合、シェアパック子回線を契約している場合は、最大2年間にわたり月額1980円でスマートフォンを利用できる。また、自宅にいながら遠隔でスマートフォンのマンツーマンレッスンが受けられる「かんたんスマホ講座」を1回、無料で利用できるキャンペーンを、10月31日までの期間に実施する(報道発表資料:はじめてスマートフォンを持つお客様を対象にした「はじめてスマホ割」を実施)。

新感覚のコミュニケーションサービスが登場。KDDIのグループ会社であるSupershipは、動画を中心に友人や家族とチャットで会話を楽しめる新しいコミュニケーションアプリ「Sunnychat」を提供開始した。5秒程度の動画をきっかけにして、友だちとチャットをしながら、動画上に絵文字を連打して感想を表現することができる。短い動画を共用することで、そこから派生する雑談感覚のコミュニケーションを楽しめる(報道発表資料:動画をきっかけにチャットを楽しむ新サービス、新感覚コミュニケーションアプリ「Sunnychat」提供開始)。

楽天も定額制音楽聴き放題サービスに、「Rakuten Music」で参入。Rakuten Musicのコンセプトは“One-Stop Music Service”。聴き放題で音楽を楽しめるだけでなく、気に入った楽曲のCDなどをスムーズに購入できるように設計、開発されているという。聴き放題では、J-POPの最新ヒット曲から洋楽の名盤・名曲までの約300万曲の邦楽・洋楽を提供する。楽曲は随時追加する計画で、年内には2000万〜3000万曲の提供を目指す。料金は、すべての機能を利用できる「スタンダードプラン」の場合、「楽天ID決済」を利用すると30日当たり980円(税込み、以下同)、Apple IDで決済すると1カ月当たり1080円となる(関連記事:楽天が定額制の音楽聴き放題サービスを開始、年内に3000万曲を目指す)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。