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スマートフォンで3Dホログラム - 米企業が超小型チップセットを開発中

2014.06.04

Updated by WirelessWire News編集部 on June 4, 2014, 15:54 pm JST

3Dホログラム映像を投影できる小型チップの開発が進んでおり、今後数年でスマートフォンなどのコンシューマー向け製品に搭載できるようになる可能性があるという。こうした製品を開発するオステンド・テクノロジーズ(Ostendo Technologies:以下、オステンド)の話がWSJなど複数の媒体で採り上げられている。

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[WSJ via NDTV Gadgets]

WSJでは、オステンドが開発を進める超小型3Dプロジェクターのプロトタイプに、各光線の色や明るさ、投射角度などをそれぞれ制御できるチップが搭載されていることや、スマートフォンなどに組み込めるほど小さなチップセットもあるとし、さらにこのサイズのものでも48インチ程度の映像が映し出せるとしている。なお、オステンドは2D映像を投影可能なスマートフォン向けチップを来年中にリリースし、その後は3D映像を投影できる次世代チップのリリースも予定しているという。

この記事で目を惹くのは、オステンドが著名なベンチャー投資家のピーター・ティール(Peter Thiel)氏や複数のVC会社などからすでに9000万ドルの資金を調達しており、また米国防総省(Department of Defense)の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency)などから約3800万ドルの研究開発資金を獲得しているといった点。

いっぽう、この話題に触れたInside Mobile Appsにも、オステンドが先ごろ3Dホログラム・ディスプレイ技術の提供でDoDと契約を結んだとの指摘がある。さらに同社の技術が数年後にはコンシューマー製品に組み込まれている可能性もあるとする予想も出ている。

また、NDTV Gadgetsではオステンドが開発する「Ostendo Quantum Photonic Imager」というチップセットについて、「イメージ処理用プロセッサとLED、レンダリング用ソフトウェアが組み合わさったもの」としている。またこのチップセットで投影できるホログラム映像が5000dpi程度の細密度を持つものになるとも記している。同社では2015年後半をメドに3D映像用チップセットの製造を開始した考えで、単価については30ドル程度を想定しているという。

3D技術を利用したバーチャルリアリティ分野では、マイクロソフト(Microsoft)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(Adcanced Micro Devices)が、コンピューターとプロジェクターを組み合わせたヴァーチャルリアリティ・ルームの開発を進めているほか、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)の子会社であるレイア(Leia)もスマートフォン向けの3Dイメージング技術の開発を進めている。いっぽう、フェイスブックも今年3月、バーチャルリアリティ用ヘッドセットを開発するオキュラス(Oculus)の買収を発表していた。

【参照情報】
New Chip to Bring Holograms to Smartphones - WSJ
Smartphone holographic projections will be reality in the next few years - Inside Mobile Apps
Quantum Photonic Imager to Bring Holographic Projection Tech to Phones - NDTV Gadgets

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