「iOS 8」ではMACアドレスをつかったユーザー識別が不可能に
2014.06.10
Updated by WirelessWire News編集部 on June 10, 2014, 10:10 am JST
2014.06.10
Updated by WirelessWire News編集部 on June 10, 2014, 10:10 am JST
アップル(Apple)から今秋リリース予定の最新モバイルOS「iOS 8」では、端末のMAC(Media Access Control)アドレスを利用してユーザーを識別する従来のやり方が使えなくなるという。ユーザーのプライバシー保護強化につながるいっぽう、一部のマーケティング企業などには従来のやり方を改める必要が生じるなどと複数の媒体が報じている。
この変更は、フレデリック・ジェイコブズ(Frederic Jacobs)氏というプログラマーが発見してTwitter上で報告したもの。同氏によれば、「iOS 8」では、端末がWi-Fiネットワークに接続しようとする際に使われるMACアドレスが、ハードウェアに紐付いた固有のものから、毎回ランダムに生成されるソフトウェアベースのものに変更されるという。
iOS 8 randomises the MAC address while scanning for WiFi networks. Hoping that this becomes an industry standard.
pic.twitter.com/oGsZMtydUo
— Frederic Jacobs (@FredericJacobs) 2014, 6月 8
「iOS 7」では、ユーザープライバシーへの配慮から、アプリ開発者がMACアドレスを利用して、アプリのインストール数を把握したり、ターゲット広告を配信することなどは禁じられているが、ただしこの制限はアプリに限られている。
The Vergeによると、ノードストローム(Nordstrom)やJPペニー(JC Penney)といった一部の小売企業では,店舗内でWi-FiをオンにしたユーザーのMACアドレスを取得し、これを店内カメラの映像や在庫状況などと組み合わせることで、個々の購買行動などを記録・分析し、マーケティングに利用する取り組みなどに着手していたという。またQUARTZでは、ユークリッド・アナリティクス(Euclid Analytics)やターンスタイル・ソリューションズ(Turnstyle Solutions)といった企業がこの種のデータを活用するサービスを提供しているほか、ロンドンでMACアドレスを収集できるゴミ箱100台を街頭の据え付けた新興企業の例にも触れている。
Ars Technicaでは、ハードウェアに紐尽くMACアドレスが端末識別に利用できなくなることで、ユーザーのプライバシー保護強化に役立つことに加え、アップルにとっては、位置情報に基づく広告提供に関心を持つ企業に対して、同社が望むiBeaconを利用したものへの切り替えを促すことにも役立つなどと指摘している。
【参照情報】
・iOS 8 strikes an unexpected blow against location tracking - The Verge
・A tiny technical change in iOS 8 could stop marketers spying on you - QUARTZ
・iOS 8 to stymie trackers and marketers with MAC address randomization - Ars Technica
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