アフリカで生まれたモバイル・ペイメント・サービスが、3月に東欧のルーマニアに進出した。英ボーダフォン系のサファリコムが2007年にケニアで開始したM-Pesaは、ショートメッセージを利用したモバイル・バンキング・サービスで、銀行口座を持てないか、持てても居住場所と金融機関の距離などの問題で利用が難しかった多くの人々に歓迎され、生活や社会を変革したとまで賞賛されている。
M-Pesaは、ケニアに続き南アフリカ、さらにタンザニア、アフガニスタン、インドなどへ拡がったが、ヨーロッパへの展開はルーマニアが初めて。ボーダフォンは他の先進諸国への展開について明らかにしていないものの、ルーマニアで同サービスが成功すれば他国への拡大も当然考えられる。ルーマニアのサービスでは1ルーマニア・レウ(約31円)から、1日に最大3万レウ(約94万円)まで送金できる。M-Pesaや、類似のサービスは、モバイル財布(mobile wallet)と呼ばれることが多い。例えば、店先に支払い先の番号が提示されていて、物を購入する際にそこへ金額を入力したショートメッセージを送ればよいので、キャッシュレスの買い物ができるほか、請求書に対する支払や携帯電話料金の支払にも利用できる。上記の各国で2013年12月の段階で総計約1680万ユーザがM-Pesaを利用しており、1か月の取引額は9億ユーロを超えているとのこと。
【参照情報】
・Vodafoneのニュースリリース
・Kenya's mobile wallet tech expands to Eastern Europe
・[動画]ケニアの「M-Pesa」 - モバイルバンキングが変える社会の例
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