LTE-Advanced標準化の要点(3) LTE アドバンストの研究調査及び仕様化の段階
2014.06.17
Updated by WirelessWire News編集部 on June 17, 2014, 09:00 am JST Sponsored by NOKIA
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3GPP における最初の作業は研究調査段階であり2008 年初頭に[5] に記載されている物理レイヤの調査から始まった。その結論の概要は[6] に記載されている。研究調査段階の一部として調査が行われたいくつかの領域があり以下のものが含まれる:
・ データとVoIP の両方に対する実現可能な容量とセル端の性能;
・ 制御信号とユーザデータの両方に対する遅延;
・ ハンドオーバ性能;
・ 実現可能な最大周波数利用効率(と最大伝送速度);
・ 検討されている技術をサポートするためのRF(Radio Frequency:無線)観点での課題;
11 章の研究調査段階の報告書で示されているように、3GPP からの結果は検討された技術要素が要求仕様を満足するか超えることを示している。
研究調査段階に引き続き検討課題段階(実際の仕様書策定段階)が開始され2010 年末に最初の仕様がひと通り策定された。これは3GPP リリース10 仕様の一部であり2011 年6 月に完了した。
3GPP は最初のLTE アドバンストのリリース後に全速力で作業を継続している。リリース11 の作業はリリース10 の活動の直後から引き続き行われておりLTE アドバンストの性能をリリース10 からさらに進歩させるための数多くの検討課題が提案されている。日程を守るために3GPPは2011 年9 月にリリース11 の内容の優先順位付けをするという特別な作業を行う必要があった。図2.2 に示されているように2012 年末に行われる予定の仕様の確定と共に選択された項目が2012 年の下半期に固まる見込みである。リリース11 で更なる検討を行うことになった主要な分野にはキャリアアグリゲーションの拡張とダウンリンク制御チャネルの改善が含まれるが内容の詳細は12 章に説明されている。
3GPP はリリース12 とLTE アドバンストより後の内容も準備をしている。2012 年6 月に行われた3GPP TSG RAN のリリース12/13 ワークショップ会合では3GPP のオペレータと製造業者から将来のリリースの内容への考え方を集約した。正式なリリース12 の時期は未だ決まっていないが通常のリリース間隔は18 カ月でありリリース12 は2014 年の下半期に最終版となると想定される。対象のリリースのプロトコル仕様が決まってから18 ヶ月後に最初の実機が出て来るという想定を基に図2.2 にリリース10、11、12 の端末が市場に投入される想定時期を示している([2] で詳細に説明しているようにASN.1 プロトコル記述は後方互換の先駆けである)。
【参考文献】
2. ITU-R Home Page. Available at: http://www.itu.int/ITU-R (accessed May 2, 2012).
5. 3GPP technical report TR 36.814 (March 2010), Feasibility study for Further Advancements for E-UTRA (LTEAdvanced).
6. 3GPP technical report TR 36.912 (March 2010) Feasibility study for Further Advancements for E-UTRA (LTEAdvanced),v 9.2.0.
Nokia Solutions and Networksで標準化に貢献する技術者がLTE-Advancedについて解説した書籍 "LTE Advanced: 3GPP Solution for IMT-Advanced(2012, WILEY)" を日本語化。 LTE アドバンスとテクノロジー、標準規格、3GPPリリース10からの将来への発展、およびその先について網羅。
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