移動体通信、IT分野の調査を手がけるMCAは2014年7月30日、NFV(Network Functions Virtualization)に関連するインフラ市場動向調査の結果をとりまとめ、発表した。それによると、2015年度には一部のネットワークにNFVが導入され、2018年度には880億円規模に拡大する。
調査の結果はMCAが調査レポート「NFVの動向と関連市場における主要プレイヤーの戦略に関する調査 2014」としてまとめたもの。これまでコアネットワーク市場は、数社の通信機器ベンダーが世界的に市場を専有し、専用ハードウエアの採用が一般的な状況だった。NFVの登場により、専用ハードウエアからの解放が現実化するとともに、通信機器ベンダーがEPC(Evolved Packet Core)を仮想化する製品やソリューションを発表するようになった。
そうした中で、NFV市場では通信機器ベンダーの動きが二分されているとレポートでは指摘する。エリクソンやファーウェイ・テクノロジーズ、NECはコアネットワークと伝送路の市場を統合的に支配したい考えを見せる。これに対して、ノキア(ノキア ソリューションズ&ネットワークス)はコアネットワーク市場に注力し、伝送路市場で力を持つジュニパーネットワークスとの協業でシェア拡大を目指している。
NFVは、2015年度に一部での導入が想定され、2017年度に本格的な導入が進むと分析。その後、NFV化率は高まっていくと見る。NFV通信関連インフラ市場の規模は、2015年には190億円となり、2018年には880億円にまで拡大すると予測する。
【報道発表資料】
・2018年度におけるNFV通信関連インフラ市場規模は880億円まで拡大
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