グーグル、キヤノン、SAPらがパテントトロール対策で提携
2014.07.10
Updated by WirelessWire News編集部 on July 10, 2014, 12:24 pm JST
2014.07.10
Updated by WirelessWire News編集部 on July 10, 2014, 12:24 pm JST
グーグル(Google)、キヤノン、SAP、アサナ(Asana)、ドロップボックス(Dropbox)、それにオンライン小売サービスのニューエッグ(Newegg)という6社が、「ロト・ネットワーク」(LOT Network)という新たなグループを結成したことが米国時間9日に明らかになった。いわゆる「パテントトロール」対策の新たな動きとされている。
Re/codeによると、「LOT」は「License on Transfer」の頭文字をとったもので、同グループの参加企業が保有する特許がメンバー以外の企業に売却される場合、他のメンバー企業には当該特許を無料で利用できるライセンスが付与されるという仕組み。なお6社の保有する特許の数は現時点で約30万件程度だという。
このグループ発足に関し、グーグルのエリック・シュルマン(Eric Schulman)という法務担当幹部は、パテントトロールが起こす特許訴訟の数がここ数年とくに増えていることを挙げ、こうした動きに対抗するためのものと説明しているという。パテントトロールは主にライセンス収入などを目当てに他社が取得した特許を買い漁る企業のことで、こうした企業のやり方には強い批判の声も挙がっている。
Re/codeによると、2012年には特許訴訟全体の60%以上がパテントトロールによるもので、2006年の約20%から大幅な増加を記録。また、パテントトロールが保有する特許の70%以上は、もともと現存する企業が取得していたものだとするRPXリサーチの調査結果も紹介されている。
米国ではここ数年、特許制度のあり方について見直しを求める声が高まっており、オバマ政権でも制度改正の必要性を口にしているものの、裁判で訴えられる側に回ることも多い大企業と特許の保有が死活問題になる中小企業との間に温度差があり、またたとえば医薬品業界とソフトウェア/ウェブサービス業界との間でも見解の相違が目立つことなどから、制度改正に向けた動きは足踏み状態といった状況。LOT Networkの発足はそうした状況にしびれきらした企業側の自発的な取り組みとみられる。
【参照情報】
・Google, Canon, Dropbox and Others Pool Patents to Ward Off Trolls - Re/code
・Google, Canon create patent alliance to limit lawsuits - Mercury News
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