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中国、アップルも政府調達先から締め出し(Bloomberg報道)

2014.08.07

Updated by WirelessWire News編集部 on August 7, 2014, 15:29 pm JST

中国政府の調達部が、政府機関の調達先リストから、米国のシマンテック(Symantec)やロシアのカスペルスキー(Kaspersky)のセキュリティ対策ソフトを外したとする話は既報のとおりだが、このリストからアップルのハードウェアも除外されたとする政府関係者の話をBloombergが米国時間6日に報じている。

Bloombergによれば、中国政府の国家発展改革委員会(China's National Development and Reform Commission)ならびに財務部(Ministry of Finance)が7月に配布したリストから、「iPad」「MacBook Air」「MacBook Pro」など10種類のアップル製品が除外されていることが明らかになったという。またこの措置により、中国共産党中央部や官公庁、地方政府などによる調達でアップル製品が購入対象外になるという。

政府機関の調達先リストの見直しが次に行なわれるのは来年1月で、デル(Dell)やヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)、レノボ(Lenovo)などの製品は、現在もリストに含まれているという関係者の話をBloombergは紹介している。

米中間のサイバー諜報戦が加熱するなかで、中国政府や政府系メディアによる米国企業への風当たりがますます強まりつつある。たとえば中国政府は今年5月、中央政府の関係機関に対し、マイクロソフト(Microsoft)製OS「Windows 8」の使用を禁じる通達を出していた。また、アップルについても先月、中国の国営テレビ局である中国中央電視台(China Central Television、CCTV)が「iPhone」についてのレポートを放映。同製品に含まれる位置情報追跡機能について、国家機密の漏洩など安全保障上のリスクになっていると批判していた。

マイクロソフトに関しては、同社の「Office」が独禁法違反にあたるとする疑いも浮上しており、国家工商行政管理総局による調査が開始されたことも報じられていた。

アップルにとって中国はもっとも成長が期待されている市場。7月下旬にあった決算発表(4-6月期)でも、中国市場(本土以外に香港、台湾を含む)の売上が約59億ドルと前年の約46億ドルから大幅に増加し、売上全体(374億ドル)の約16%を占めたことが伝えられていた。ただし、売上の中心は個人向けのiPhoneという見方もあり、今回の措置がどの程度の影響を及ぼすかについてははっきりとしたところは分からない。

【参照情報】
China Said to Exclude Apple From Procurement List - Bloomberg
China bans iPads and MacBooks from government use in clampdown on US companies - The Verge
China bans Apple products from government purchases: Bloomberg - Reuters
China Raids Microsoft Offices - WSJ
Apple's Earnings: iPhone Sales, China and Other Key Areas to Watch - WSJ

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