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メンタルヘルスをチェックするキオスク

2014.08.27

Updated by Kenji Nobukuni on August 27, 2014, 17:00 pm JST

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(cc) Image by Jeremy Tenenbaum

フィラデルフィアのスーパーマーケット、ShopRiteにタブレット端末を使ったキオスクが置かれているそうだ。買い物客がメンタルヘルスの一次チェックをするための装置で、市の当局(行動保健知的障害サービス局(DBHIDS))など複数の機関が連携して行うパイロット・テスト。6か月間の試行導入を行って結果が良好なら別の店舗などに展開する計画があるという。

偶然、設置場所の隣には血圧測定用のキオスクもあるようだが、このメンタルヘルス・チェック端末では生体情報(血圧や体温など)は使わない。タブレットの画面を使って質問に答えていくだけだ。診断結果や治療法、専門的アドバイスを提示することが目的ではなく、病院に行くまでもなく手軽に自己チェックができて、専門医に相談すべきかどうかの判断材料を提示することが目的。食欲、気分、アルコール消費量、睡眠など、一連の質問に答えていくと、うつ、アルコール依存症、摂食障害、双極性障害、不安症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の兆候や症状でスクリーニングされていく。オプションで年齢や性別、人種、既婚・未婚の別、過去の病歴などを入力することもできる。

キオスクでの一次診断が済むと、24時間対応してくれる相談ホットラインやウェブサイトなど、利用可能なリソースの情報を提示してくれる。一般向けのスクリーニングはキオスクがなくてもSMH(Screening for Mental Health)のサイトで体験できる。

メンタルヘルス上の課題があるかもしれないと自分で疑っていても、なかなか専門医を予約してきちんと診断してもらうのは大変だ。キオスクを設置したのは、より多くの人に自分の状態の概要を把握してもらい、必要に応じて早期に専門医に相談することを促すことにあるそうだ。

【参照情報】
SMHのスクリーニング用ページ
Clinic in Philly supermarket offers first in-store mental health screening in U.S.
First DIY Mental Health Screening Kiosk Open for Business

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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