初めまして。今回から、耳に伝わってくるものに焦点を当てて、徒然に書かせて頂く事になりました、かのうよしこと申します。
6月24日にdocomoのVoLTEがサービスインして、久々に通話サービスに光が当たっている時期ですね。新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」も、6月にリリース。
・ドコモ、「VoLTE」を6月24日に開始、GALAXY S5から順次対応
http://wirelesswire.jp/Todays_Next/201406181819.html
docomoの新料金プランをうけて、auとsoftbankからも新料金プランが出そろいました。ご覧下さい、この見事な横並び。
・au「カケホとデジラ」
http://www.au.kddi.com/mobile/charge/pr/
・softbank「スマ放題」
http://www.softbank.jp/mobile/special/sumahodai/
各キャリアさん、パケットは利用上限をコントロールしつつ、通話はじゃんじゃんしても良いからね〜という呼びかけをされているのが、よく伝わって参ります。5年ほど前のパケ放題加入誘導とは全く反対の流れですね。
さてdocomoのVoLTEですが、気になるのはその音声品質。
サービスリリース当初から、こんなCMが流れてますね。
1年前に別れ話をした男女2人。男性は未練いっぱいで、未だに気持ちを女性にぶつけるステータスですが、女性の気持ちは完全にカラッカラに乾いている様子で、なんの躊躇も無く1年前の台詞を繰り返します。
『あなたとは、無理なの』
ところが男性、これで凹むかと思いきや......
『前よりも...希望を感じる!Σ(゜д゜』→『もう一回言って!』→『まだイケる気がするぅうう〜ひゃっはー!ヽ(´▽`)/』←イマココ
『...? 意味、わかんない(笑)』
これ、女子的には、余計な希望を与えない3G回線の方が良かったんじゃないか(?!)というオチで、......docomoさん、このCMでホントに良かったんでしょうか(笑)いや、私としては、だいぶ面白かったです(笑)。ご馳走さまでした。
高品質の音声、というと、一見「声をよく拾ってくれる」「言葉が聞き取りやすい」ということ"のみ"がイコールのようですが、実は、背景音を含めた、あらゆる「そこに在る音」について、聞こえ易くなる、ということになります。
VoLTE登場まで音声品質では圧倒的な地位を保ち続けていたPHSでは、通話していると後ろで鳴いてる鳥の声も聞こえるんですね。自分が今どこにいて、どんな空気の中で話しているのか、そういう情報を言葉で伝えることなく、肌感覚としてキャッチする事が出来るようになるということです。
それが、先のCMに現れている「従来よりも深度の高い親密感」にも繋がっているのだと思います。
対応端末が少ない事や、相手もLTE回線であることなど、今は条件は厳しいですが、3G回線からLTEへの移行は今後各キャリア進めていく方向かと思います。2年前に機種変した人が今年、次の端末を悩む時に、VoLTE対応の端末へ誘導されることは充分考えられます。
折しも2012年は国内携帯電話シェアでAppleが初の首位になった年。比較的、新サービスに敏感なユーザー層ということで、移行に積極的かもしれません。となると早ければ来年には、高品質な声や音を利用したコミュニケーションが、広く復権していくような気がします。
これに伴って出てくる新しいサービスやアプリは、今とはまた全く違う世界を提供してくれるんだと思います。
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青山学院大学史学科、東京藝術大学声楽科、京都造形芸術大学ランドスケープデザインコースを卒業。京都造形芸術大学大学院芸術環境専攻(日本庭園分野)修士課程修了。通信キャリアにてカスタマサービス対応並びにコンテンツ企画等の業務に従事、音楽業界にてウェブメディア立ち上げやバックヤードシステム開発、コンサート制作会社での勤務を経て、現在はフリーのヴォーカリスト、ヴォイストレーナー、エディター、ライター。
http://kanoppi.jp