「ウェブ動画の埋め込み自体は著作権法違反にあたらず」 - 欧州司法裁が判断
2014.10.28
Updated by WirelessWire News編集部 on October 28, 2014, 15:26 pm JST
2014.10.28
Updated by WirelessWire News編集部 on October 28, 2014, 15:26 pm JST
欧州司法裁判所(The Court of Justice of the European Union)が先ごろ、オンラインでの動画埋込みに関し、元の動画を公開した行為が著作権法に違反しているとしても、埋め込み自体は著作権法違反にあたらないとする判断を下した。オンライン上の著作権違反問題をめぐって今後重要な判例となるとの見方があがっている。
この話題を伝えたTorrent Freakによると、この判断はドイツの法廷の要請に基づいて欧州司法裁判所が下したもの。元となったドイツの裁判では、ベストウォーター・インターナショナル(BestWater International)という企業が競合企業の代理店で働く2人の男性を著作権侵害の疑いで提訴していた。
この問題がこじれた原因は、訴えられた2人が自らのウェブページに埋め込んだ元の動画ーーベストウォーター製品の宣伝ビデオが、同社の許可無くYouTubeにアップロードされたものだったという点にあるようだ。他者が著作権を持つコンテンツを勝手にウェブで公開するのは著作権の侵害にあたるが、いったん公開された作品をエンベッド・共有すること自体は著作権侵害にはあたらない、という点が今回の判断で明確になったという。
今回の判断を受けて、欧州では今後動画や静止画を自らのページに埋め込んだネットユーザーがそのことで責任を問われることがなくなるだけでなく、違法なやり方で公開された著作権付きコンテンツを、第三者のサイトを使って埋め込み形式で流すストリーミングサイトでも責任を免れる可能性があるという。
【参照情報】
・EMBEDDING IS NOT COPYRIGHT INFRINGEMENT, EU COURT RULES - Torrent Freak
・EU Court: Video Embeds Don't Violate Copyright Law - WebProNews
・EU Court Of Justice Says Embedding Is Not Infringing: Could Mean Streaming Sites Are Legal - Tech Dirt
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