マイクロソフト、iOS/Android版「Office」アプリの利用を無料化
2014.11.07
Updated by WirelessWire News編集部 on November 7, 2014, 13:21 pm JST
2014.11.07
Updated by WirelessWire News編集部 on November 7, 2014, 13:21 pm JST
マイクロソフト(Microsoft)が米国時間6日に、iOS端末およびAndroidスマートフォン向け「Office」アプリの新バージョンをリリースし、これにあわせて個人(コンシューマー)ユーザーであればほとんどの機能を無料で利用できるように提供方法を変更した。また同日Androidタブレット向けアプリのベータ版希望者の受付も開始したという。
iOS端末およびAndroidスマートフォン向け「Office」アプリはこれまでも無料で配布されていたが、ただし有料の「Office 365」サービス加入者以外は、ファイルの編集機能やオンライン上への保存機能など、いくつかの重要な機能が制限されていた。マイクロソフトは先ごろ発表したドロップボックス(Dropbox)との提携のなかで、iOS向けOfficeアプリのユーザーがDropboxにファイルを保存できる選択肢を追加していたことから、今回の新バージョン・リリースに伴い、これらのモバイルアプリを利用する個人ユーザーは「Word」「Excel」「PowerPoint」のほとんどの機能を無料で利用できるようになった。
いっぽう、個人ユーザー向けのPC版「Office」や法人向けの「Office 365」には変更はなく従来どおり有料となっている。
マイクロソフトは、今年2月にサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏がCEOに就任して以来、iPad向けのOfficeスイートをWindowsタブレット版より先にリリースするなど、Windowsプラットフォームに縛られない方針に沿った動きを進めてきている。この話題を採り上げたNYTimes記事では、iPad版Officeアプリの累計ダウンロード数が4000万回を越えたことや、「Office 365」に加入した個人ユーザーの数が700万人超に達したことが紹介されている。
但し、iOS向けやAndroid向けには、アップル(Apple)やグーグル(Google)などからそれぞれOfficeと競合するアプリが無料提供されていることもあり、有料の「Office 365」加入を前提としたOfficeアプリを積極的に使う意味合いが薄れてきているとの指摘もある。
またWSJでは、Office関連収入の約9割弱が法人ユーザーからの売上であるとし、マイクロソフトとしてはOfficeアプリをほぼ無償化しても売上減少のリスクは小さく、当面はモバイル端末からの「Office 365」利用者増加に期待するほうが得策といった見方を記している。
【参照情報】
・Microsoft's next surprise is free Office for iPad, iPhone, and Android - The Verge
・Office for Android tablets enters preview alongside new iPhone version - The Verge
・Microsoft Changes Tack, Making Office Suite Free on Mobile - NYTimes
・Microsoft Is Giving Away Its Office 365 Mobile Apps - WSJ
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