「最強&最年少ラーメン評論家・山内直人が3,000杯から選び抜いた 全国やみつきラーメンBEST100」という本が2014年9月にマガジンハウスから出版された。筆者である山内直人氏はまだ20歳である。彼は高校生の頃から「ラーメン高校生」という称号を持っており、最年少のラーメン評論家として、テレビや雑誌にも出演している新進気鋭のラーメン評論家である。(写真は東京の老舗製麺所「江戸玉川屋」を取材した時の山内氏)
その彼が20歳の記念に昔からの夢の1つだったラーメン本を出版した。まだ20歳にも関わらず、日本全国をめぐってラーメン3,000杯以上を食し、その中から選りすぐりの100店舗が掲載されている。100店舗がそれぞれ「煮干し」「塩」「醤油」「豚骨」「個性派」「自家製麺」「老舗」「ご当地」「女性向け」「若者向け」の10ジャンルに分かれて紹介されている。
それにしても20歳にして、すでに全国で3,000杯のラーメンを制覇しているとは凄いことである。1日に数杯以上のラーメンを食べることもあるという。本書最後に、山内氏の生い立ちが記されている。10歳で池袋のラーメン屋で食べたラーメンからラーメン人生がスタートした。行列・接客サービス、味などをトータルに見て「ラーメンってこんなに凄いんだ」と思い、ラーメンを極めるために、中学時代から暇な時間はひたすらラーメンを食べている。今では年間800杯前後を食べるというから、1日に2食以上は食べているのだろう。とにかくラーメンにかける情熱が凄い。
また山内氏はTwitterやブログといったSNSを活用して頻繁に情報発信を続けている。SNSから得る情報を大切にしているとのことで、山内氏も気軽に情報発信をしている。神出鬼没に全国のあらゆるラーメン店のラーメンが紹介されるTwitterはフォローしているだけで、ラーメンが食べたくなる。ラーメン評論家だが、その情報発信に「評論家」の堅苦しさは感じない。世の中にはたくさんの「食レポ」が存在しているが、山内氏自らが足を運んでいるので、情報も信用できる。深夜の空腹時には危険である(笑)。
▼ツイッターでは毎日、山内氏が自ら足を運んでいる全国のラーメン店の情報が配信されてくる。
中華そば まるよし@西御坊(和歌山県御坊市)
『中華そば(600円)』
御坊で人気のお店ですが、御坊では珍しい和歌山市スタイルのラーメンです。茶濁した熱々の豚骨醤油スープに柔和な細麺。焦げてたのでちょっぴりビターな味わいでした。 pic.twitter.com/0ZnwRarMe2
— 山内 直人 (@ardija7010) 2014, 11月 12
刀削麺 丸新@熊本県八代市港町
『スープ刀削麺(600円)』
港町の住宅街にある刀削麺専門店。麺は断面が二等辺三角形になるように均等に削られる。中心は小麦の甘みがあり強靭な歯応え。外側の平かな部分は滑らかで和風スープを絡め上げる。 pic.twitter.com/E20ozRNZ99
— 山内 直人 (@ardija7010) 2014, 8月 9
山内氏の夢は2つあり、1つはたくさんの人を笑顔に出来る一流のラーメン評論家になることと、もう1つはたくさんの人に愛される長く続くラーメン店を開業することだそうだ。
山内氏も述べているように「ラーメンは日本が世界に誇れる立派な食文化である」。2013年には日本を訪問する外国人が1,000万人を突破した。実際に海外でも日本のラーメンは人気が高い。これからは海外に向けて日本の食文化ラーメンの情報発信にも期待したい。「全国やみつきラーメン」読んでみると、日ごろ何気なく食べている国民食ラーメンの新たな発見があるはずだ。そしてラーメンを食べに行ってみよう!
▼札幌のラーメン店「らーめん木蓮」でヒアリング調査をする山内氏
▼TRY(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)では、大崎氏や石神氏など著名なラーメン評論家と一緒に審査員を担当。左端が山内氏。
【参照情報】
・「最強&最年少ラーメン評論家・山内直人が3000杯から選び抜いた 全国やみつきラーメンBEST100」
・山内直人氏のTwitter
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。