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ドコモ・バイクシェア:訪日外国人への利用促進に向けて近畿日本ツーリストと業務提携、ブリヂストンサイクルと共同開発も

2016.08.04

Updated by Hitoshi Sato on 8月 4, 2016, 16:38 pm JST

ドコモ・バイクシェアと近畿日本ツーリストは、コミュニティサイクルの訪日外国人利用の拡大と受入体制整備に向けて2016年8月1日に業務提携した。

コミュニティサイクルとは、街中に複数の自転車貸出拠点(ポート)を設置し、利用者はどこでも貸出、返却が可能な新しい交通手段。海外ではパリやニューヨーク、ロンドン、テルアビブなどで広く普及しており、日本でも都市部を中心に設置が進んでいる。東京の千代田区や港区に住んでいる人は、赤い自転車を見たことがある人も多いだろう。あの赤い自転車が、ドコモ・バイクシェアが運営しているコミュニティサイクルだ。近距離の移動なら案外便利だ。現在、日本全国に280ヶ所以上のサイクルポートがあり、2,700台以上の自転車が利用可能だ。

訪日外国人へコミュニティサイクル提供開始

近畿日本ツーリストは、自転車が観光・旅行と親和性の高い乗り物であることを踏まえ、これまで観光分野で培ってきたノウハウや経験を活かし、日本国内旅行客や訪日外国人旅行客に自転車の観光活用を推進し、地方創生・観光立国実現を目指していく。

今後は東京都内における訪日外国人向けの一日利用パス販売、チケット交換の拠点を、旅行者との接点となる宿泊施設を中心に12か所に整備し、宿泊施設・観光施設へサイクルポートの設置を進めていく。2017年3月末までに30か所の一日利用パス販売、チケット交換の拠点整備を予定している。

また外国人旅行者のコミュニティサイクル利用に際し、自転車利用5則など交通ルールの説明・啓発、ヘルメット貸出環境などのサポート拠点も整備するなど、訪日外国人の日本における新たな交通手段として提供できるような環境を整え、魅力ある観光資源の1つとしてコミュニティサイクルを提供できるようサービスの拡充を図っていく。

外国では自転車専用道路があり、外国人が訪問しても安心して自転車に乗って楽しんだり、観光できるが、日本では、特に東京のような大都市では日本人ですら自転車に乗って町を走るのは怖い。また都会では自転車置き場が見当たらないので、ちょっと休憩したい時に、どこに止めていいのかも悩む。

特に暑い夏には自転車に乗っていると疲れる。だが自転車で簡単に移動できると東京だけでなく、日本中を見て回るのにいろいろと便利だ。特に日本はタクシーが物凄く高い。円安の時に日本に来た外国人はタクシーでの移動には金銭面で大変苦労する。

さらに最近ではJRや地下鉄でも英語や韓国語、中国語での表示が増えたが、それでも外国人にとっては日本の公共交通機関は複雑で乗りにくい。また公共バスでは英語を話せない運転手が多く、標識などの英語化も遅れているので、初めて日本に来た外国人が乗りこなすのはほとんど不可能に近い。

日本で自転車を安心、安全に乗りこなすにはハードルも高いが、それでも小回りが利いて、利便性が高く、お財布にも環境にもやさしい自転車への期待は大きい。

初めて日本にやってきた外国人だけでなく日本人も日常的に安心して安全に自転車に乗るためには、ドコモ・バイクシェアと近畿日本ツーリストだけでなく、日本が一丸となって取り組んでいかなくてはならないだろう。

ブリヂストンサイクルと共同開発

またドコモ・バイクシェアはブリヂストンサイクルとサイクルシェアリング事業における新サービスをめぐって共同開発を行うと発表した。「折畳み自転車」などの新しい自転車(電動アシスト車を含む)や、IoTを活用した付属品・関連用品などを開発し、コミュニティサイクルの普及拡大を目指していく。

共同開発の第1弾として、2017年に新たな電動アシスト自転車を導入する予定だ。これはフロントモータアシスト駆動と後輪ベルト駆動を組み合わせたブリヂストンサイクルの両輪駆動電動アシスト技術「DUAL DRIVE」(デュアルドライブ)を活用した車両に、ドコモ・バイクシェアの管理システムを融合させるという。

さらに、ブリヂストンサイクルが開発した新しいタイプの折畳み自転車をベースとする車両に、ドコモ・バイクシェアの管理システムを融合させるサービスも2017年後半から1,000台規模で展開する。

IoTを活用したガジェットや乗車時の安全性を確保する関連商品の開発も行う予定だ。ブリヂストンサイクルは東京五輪が開催される2020年に向けてさらに機能やサービスを充実させ「訪日外国人にも使いやすい都市型シェアサイクルの実現を目指す」としているそうだ。

【参照情報】
【報道発表】ドコモ・バイクシェアと近畿日本ツーリストが業務提携!
【報道発表】ブリヂストンサイクルとドコモ・バイクシェアによる共同開発実施について

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。