ブラジルの大手通信事業者Oiが、傘下のポルトガルテレコム（Portugal Telecom；以下、PT）を、欧州の大手ケーブル事業者アルティス（Altice）に売却することで同社と合意したと現地時間8日に発表した。

この合意で、アルティスはOiに74億ユーロ（約91億ドル）を支払い、PTのポルトガルおよびハンガリーにおける事業を獲得することになった。買収金額のなかには業績に応じて支払われる5億ユーロも含まれるという。

この買収成立には規制当局ならびにOi株主からの承認が必要となるが、成立した場合、アルティスはポルトガル通信市場でボーダフォン（Vodafone）およびノス（Nos）と競合する立場になる。ただし、アルティスはポルトガルでカボヴィサオ（Cabovisao）および オーニ（Oni）という2社のケーブル事業者をすでに保有していることから、有線・無線の両事業を持つPT買収にあたっては規制当局の承認を得るために、一部事業の切り離しを行わなければならない可能性もあるとみられているという。

アルティスは、仏市場最大手のケーブル事業者、ニュメリケーブル（Numericable）などを傘下に持ち、今年4月には仏ビベンディ（Vivendi）から、仏携帯通信市場2位のSFRを170億ユーロで買収したことでも注目を集めていた。なお、同社のデクスター・ゴーエイ（Dexter Goei）CEOは先ごろ、フランス市場3位の携帯通信事業者であるブイグテレコム（Bouygues SA）についても、買収に関心があることを示唆していた。

【参照情報】
・Oi of Brazil Agrees to Sell Assets in Portugal to Altice - NYTimes
・Billionaire Drahi to Buy Oi's Portuguese Assets for $9.1 Billion - Bloomberg
・Brazil's Oi Agrees to Sell PT Portugal to Altice - WSJ