米HBO、ストリーミング配信本格開始に向け、MLB子会社と契約 - CTOは辞任
2014.12.10
Updated by WirelessWire News編集部 on December 10, 2014, 13:56 pm JST
2014.12.10
Updated by WirelessWire News編集部 on December 10, 2014, 13:56 pm JST
『Game of Thrones』などの人気コンテンツを擁する米大手テレビチャネルのHBO(タイムワーナー傘下)が、来年に予定するネット経由(OTT)の番組ストリーム配信開始に向けて、MLB(大リーグ)のデジタル部門であるMLBアドバンストメディア(MLB Advanced Media:以下、MLBAM)の力を借りることにしたことが米国時間9日に明らかになった。また、この決定で自らの出番がなくなったとみたHBOの最高技術責任者(CTO)が辞任したことも報じられている。
MLBAMにはこれまで、MLB.tvの試合中継のほか、CBS Sportslineの「March Madness on Demand」(男子バスケットボールの全米大学トーナメント)やプロレスリングのWWE Networkなど、外部企業のストリーミング中継を手掛けてきた実績がある。
HBOでは現在ケーブルテレビ加入者向けの「HBO Go」というネット配信サービスを提供しているが、10月には同社のリチャード・プレプラー(Richard Plepler)CEOが、有料テレビ・サービスに加入していないネットユーザー向けに新しいサービスを立ち上げる考えを明らかにしていった。
Varietyによると、今回辞任したオットー・バークス(Otto Berkes)CTOは、もともとマイクロソフト(Microsoft)でXboxの開発に携わった経歴の持ち主で、HBOには2011年に移籍し、これまで「HBO Go」などの開発を率いてきたという。また同氏は、HBOが社内で進めてきたOTTサービスのプラットフォーム開発でも責任者を務めていたが、同プラットフォームの開発状況が思わしくないことや、人気番組のシリーズ初回や最終回にHBO Goが視聴不能な状態に陥ったことが何度かあったことなどから、同社経営陣はOTTサービスの本格開始に向けて、社内システムよりも短期間に導入でき、なおかつリスクも少ないMLBAMのシステムを選ぶことになったという。
なお、HBOによるOTTサービスの開始時期はまだ正式発表にはなっていないが、現時点では『Game of Thrones』の新シーズンが始まる4月第1週の可能性が高いという。同シリーズは前シーズンの平均視聴数が推定1950万人という人気番組だとCNETは記している。
【参照情報】
・Exclusive: HBO to outsource streaming technology in blow to 'backstabbing' CTO - Fortune
・HBO CTO Otto Berkes Resigns After Network Enlists MLB to Build OTT Platform - Variety
・HBO CTO resigns as company outsources its streaming technology - The Verge
・Cord-cutters' HBO coming in April, just in time for 'Game of Thrones' - CNET
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