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通話料金40分で2500ドル - 米刑務所のぼったくりぶりが明るみに(Businessweek)

2014.12.19

Updated by WirelessWire News編集部 on December 19, 2014, 15:34 pm JST

米国では刑務所内にいる相手と電話で話すと、40分で2500ドル(1ドル=120換算で約30万円)も取られる場合があるらしい。いかに特殊な場所での話とはいえ、これではぼったくり("racket")が過ぎるのではないか・・・そんな内容の記事がBusinessweekで公開されていた。

この記事には、潜在ユーザーにあたる服役者が全米で合わせて150万人以上いること(2013年のデータ)、 グローバル・テレリンク(Global Tel-Link)、セキュラス(Securus)、テルメイト(Telmate)という3つの通信事業者がこの分野の「3強」とされていること、料金設定の最もひどい例では1分あたり89セントの通話料に加えて通話1回あたり3ドル95セントの手数料が加算されるというのもあったこと(連邦通信委員会=FCCが集めた昨年のデータ)、さらに最近になってFCCが介入した結果、州をまたぐ通話については料金に一定の上限(コレクトコールで1分25セント、プリペイドで1分21セント)が設けられたこと、などが記されている。

こうした法外な料金設定がまかり通っている理由については、業者選定の際に刑務所側へのキックバック(の多寡)が重視されるケースが多いためとの説明がある。なかには売上の96%が通信事業者から刑務所側にわたるという極端な例もあるそうだ。

もっとも、通信事業者側からも刑務所(とその背後にいる各州や連邦の政府)にキックバックを払い続けるのはもうこりごりといった声が上がっており、なかにはFCCが進めようとしている抜本的な改革を積極的に支持する業者もあるという。またこの改革支持派の動機について、キックバック算定の元になる通話料収入は減っても、付帯サービスにあたる諸々の手数料売上を増やせれば、むしろそちらのほうが利益が増えるので、それを狙っているのではないか、といった見方も一部にあるという。

【参照情報】
Serial's $2,500 Phone Bill and the Prison-Calling Racket - Businessweek

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